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第11話
「…あ…いた…痛い…止め…も…無理…っ…痛い…っ………。
先程の映画館でのデキゴトなんか比じゃないくらいの気持ち良さ。
…でも、気持ち良かったのはそこまで。
治朗のペニスを受け入れる時、それまでの気持ち良さも、心地良さも吹き飛んだ。
あまりの痛さに。
よく考えたら尻の中にあんなモノを入れるんだから、痛くないわけが無い。
そういえば、彰も最初は痛がって大変だった。
なかなか入れる事ができずに何回もやり直して…。
(…………彰…………)
その時、頭の中に(思い出さないようにしていた)彰の顔が浮かんだ。
「…やっぱり止める…帰る…抜いて…抜けってば…っ!!」
「…馬鹿…言うな…こんな…途中で…止められるか…っ」
俺の中…内壁を擦り、ズリズリと入ってくる治朗のペニスが…背中に吹きかけられる治朗の息が…本当に、今、治朗に犯られているんだ…と現実に実感して………慌てた。
「…も…退いて…抜いてくれ…っ!!」
「もう少し…我慢しろ…っ…後…少しで…」
「……あ………っ!!」
ズンッという衝撃と共に下半身が重くなり、治朗のペニス、全てが俺の中に入ってしまった。
「全部、入ったよ……ほら、樹生の中にオレがいるの、分かる?」
俺は目を瞑り、返事をしなかった。
「……血が出てる………初めてなんだ?……という事は俺は樹生の初めての男ってコトだよね?……うふ…嬉しいなぁ、樹生みたいな格好いい男性の初めての男なんて…でも、オレが樹生の初めての男なんて、皆には恥ずかしくて言えないよね?」
-恥ずかしくて言えない-
ドキンッと俺の胸が跳ねた。
「…動くよ、目を開けて誰に抱かれているのかちゃんと見て」
その治朗の声に目を開くと、治朗の可愛い顔が目の前に-。
可愛くて学校の皆のアイドル、治朗が俺を抱いている。
俺が治朗に抱かれている。
皆のアイドルである治朗に-。
-胸が高鳴る。
「…え……っ!?ちょっ…っ…待っ…あ…っ」
意味不明な胸の高鳴りと同時に、治朗が動き出す。
と、同時に-。
背筋を電気が走り…腰が勝手に跳ね…足も勝手に跳ねて…。
「…あ…っ…んっ…っ…んぁ…っ…」
-俺が治朗に抱かれている。
口から喘ぎ声が勝手に零れ落ちる。
-俺が治朗に喘がされている。
(…何だ…これ…躰が…腰が…勝手に動く…っ…止まんねぇ…気持ちいい…気持ち良い…っ!!)
涎が口の端から垂れているのにも気付かない。
「…あ…っ…いい…いい…っ…そこ…そこ…っ…そこがいい…っ!!」
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