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脱衣所で服を脱ぎ、鏡に映った自分の身体を見てゾッとした。
首筋から胸にかけて無数のキスマークが散っている。まるで所有印のように、真っ赤な痕が無数についていて思わず目を背けた。
「――はぁ」
流石にこんな姿を、親戚や自分の親には見せられない。散々嬲られ、彼の指とそして蓮自身に翻弄されて、そして――。思い出すと身体の奥がヒクリと疼き、慌てて首を振った。
と、その時。
「ふふん、いきなり乱入したら、理人驚くかな――」
いきなりガラリと扉が開き、理人の思考が停止する。
視線を上げると、そこには目を丸くした透が立っていた。
お互いにしばらく無言で見つめ合い、透の視線が上から下までゆっくりと移動する。
たっぷり5秒ほど間を開いて、ハッと我に返ったのか透が物凄い勢いで理人に背を向ける。
「――ッご、ごごご、ごめっ、お、オレッ、何も見てないからッ!!」
「ッ、待て!」
くるりと踵を返し、脱兎のごとく逃げ出そうとする透の腕を掴み、慌てて脱衣所に引き摺り込んだ。
今ここで騒がれて、万が一家族が来たら困るどころの騒ぎじゃない。
「……今見た事は、誰にも言うな」
壁に押さえつけ小声で囁くと透はぶんぶんと勢いよく頭を縦に振る。
「わかってる!……けど、理人……その……なんか……、色っぽいね」
「は!?」
何を言っているんだコイツは、と思わず目を見開いた。
「だってさ、なんかエロいんだもん。それ……キ、キスマークってやつ、だろ? この間、雑誌で見たよ。随分、情熱的な彼女が居るんだね」
直視できないのか、視線を逸らし、耳まで真っ赤に染めてボソボソと呟く。
実際は彼女なんて可愛いものではないのだが、否定するとややこしくなりそうだったのでそのままスルーする事にした。
それにしても、数カ月前まで小学生だった透には少々刺激が強すぎたようだ。手で前を押さえたままモジモジと内股になっている。
初々しい反応に、悪戯心がムクムクと湧いてきた。
透は今年中学に上がったばかりだ。もしかしたら精通もまだかもしれない。
普段から大人びた雰囲気を持っているものの、まだまだ子供だ。少し脅かしてやるのも面白い。
ちょっとした悪戯心に突き動かされて、理人は透の肩にそっと手を置き、顔を近づけてわざと低い声で耳元にそっと囁いた。
「――なに人の裸見て興奮してるんだ。とんだエロガキだな」
「っ、あっ! ち、違うからっ、これは……っ」
逃げないように股の間に膝を差し込み、そっと隠そうとしている手の隙間から差し込んで左手で撫で上げると途端に透の身体がビクリと震えた。何が起きているのかわからずに慌てる透の反応に理人が面白くてフフンと鼻を鳴らす。
この様子だと、どうやら性に関しては全くの未経験らしい。
そう考えるとなんだか楽しくなってきて、つい虐めたくなってしまう。
ちょっと、からかってやろうと右手でズボン越しに形を確かめるように握ると、そこは既に熱く張り詰めていた。
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