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 透が起きないように、声を押し殺し手の甲を噛んで堪えながらも、腰の動きが更に大胆になっていく。結合部からはグチュッグチュッと卑猥な音が響いてそれが余計に理人の興奮を煽った。 「ん……っ、は……っ、く……っあ」  ――ヤバイ、イけそう……っ。  限界が近い事を感じて、腿が震える。もう少しで絶頂を迎えようとしたその時、不意に腰をがっちりと掴まれて下から大きく突き上げられて身体が大きく跳ねた。 「――ひ、ぁっ!?」  ――え? 一瞬何が起きたかわからずに混乱するが、状況を把握するより早くズンズンと下から突き上げられて背中が戦慄いた。 「ぅ、あっ待て……っそれ、だめっ」  涙目になって視線を落とすと、ついさっきまで閉じられていた瞳とばっちり目が合ってしまい、一気に血の気が引いた。 「や、あ……っと、透、これは……っ」 「え、理人? なに? 理人が、オレの上でエッチしてる……?」 「ちが、違うんだ……っ、これ、は……んん!」  慌てて弁解しようとするが、それよりも先に腰を揺すられて言葉にならない。――どうしよう、見られた。最悪だ。  絶望的な気分になるが、同時にゾクゾクとした快感が押し寄せて来る。 「ん……っ、は……っ、ん、んんっ」  ――やばい、声が抑えられない。  慌てて唇を噛んで堪えようとするが、透のモノが良いところを掠める度に甘えたような鼻にかかった声が出てしまう。 「すっごいリアルな夢。なにこれ、気持ちいい……」  透はうっとりと呟くとむくりと起き上がり、理人の肩を押してベッドに沈めた。そしてそのまま理人の腰を掴んで夢中で腰を打ち付け始めた。 「っ、ん……っ、は……っ、んん……っ」  透のモノが何度も良いところを突き上げて、堪らずに身体が仰け反る。すでに限界近くまで達していた身体は快楽に従順であっという間に追い詰められていく。 「あーすごい……理人がエロい……こんなエッチな夢見たことないや」  透はすっかり夢見心地で腰を振りながら蕩けた笑みを浮かべる。どうやら透は未だに寝ぼけているのか現実との境目が曖昧でこれは夢であると判断したようだった。 「ん……ふ……っ、んん……っ」 「は……っ、すご……っ、めちゃくちゃ気持ちいい」  透はうわ言のように繰り返しながら夢中で腰を振りたくって来た。テクニックも何もない獣のように荒々しい動きに翻弄され、突き上げられる度に抑えきれない喘ぎが洩れる。 「は、くそ……、ぁあっイく、もう、無理……っ」 「あ……はぁ……っ、やば……っそんな締め付けられたら出ちゃうっ」 「へっ!? あ、待……ナカは……っ」  慌てて腰を引こうとするが、一歩遅かった。制止の声も虚しく透は理人の腰を引き寄せると、切羽詰まったような声を上げ、そのまま腰を震わせて中に熱い飛沫を吐き出した。その瞬間、強烈な快感が全身を駆け巡り白濁が二人の腹を汚した。  しかし、透の射精は長く、その間も腰を押し付けられてグリグリと奥を捏ね回されるような感覚にゾクゾクと肌が粟立つ。 「はぁ、はぁ……つか、どんだけ出すんだよ……」 「あー、気持ちよすぎて、腰抜けるかと思った……じゃぁ次は……」 「えっ、は!? おいっ、透!?」  射精の余韻に浸る間もなく、繋がったままグルンと身体を反転させられ腰を高く持ち上げられた。

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