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「あー、腰痛ぇ……」  翌朝。  理人は自室のベッドの上でぐったりと横になっていた。  結局あの後、ベッドで更に一回求められ、汗を流そうとして入った風呂場でシャワーを浴びながらもう1回。  その後ソファに移動してまた求められ、もう戻る時間だと言うのに部屋の入り口前で襲われ、玄関で……。  漸く家に辿り着いた時には既に朝日が昇りかけてうっすらと辺りが明るくなっていた程だった。  そっと玄関を開けると、ちょうど朝食を作るために降りてきた母親と出くわした時には、一瞬心臓が止まりそうになった。 「身体が鈍ってるから、ランニングに行っていたんだ」  持っていた荷物を後ろ手に隠し、あらかじめ考えていた言い訳を並べると、母親は意外なほどあっさり納得してくれた。  まさか、自分の子が無断外泊した上にヤりまくって朝帰りしただなんて夢にも思っていないのだろう。  親を騙すことに、ほんの少し良心が痛んだが仕方がない。  念のためにと、スポーツウエァを着用していて良かった。  悪知恵だけは上手く働くものだと自分に感心しつつ、部屋に戻るなりホッとしてベッドにごろりと寝転がる。 「アイツ、どんだけ絶倫なんだ。……まぁ、知ってたけど……」  結局、疲れ果てて言いたいことも言えなかったし、聞きたいことも聞けずじまいだった。  ――でも……。 「……気持ち、よかったな。……凄く」  ギラギラとした余裕のない表情、自分を求めて止まない姿を思い出して顔が熱くなる。 「いや、馬鹿か!? 俺は!?」  ぽつりと呟いてみて、恥ずかしさに悶え苦しんで枕に顔を押し付けた。 「あ~くそっ! 次会ったら絶対に文句言ってやる!!」  そして、蓮を一発殴る。これは決定事項だ。  理人は一人決意を固めると、大きな欠伸を一つして眠りについた。

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