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9-10
家に戻ると、瀬名はすぐさまベッドへ押し倒してきた。有無を言わさず組み敷かれて、抵抗する間もなく熱い手の平が服の中へと侵入してくる。
「ま、待てって! まだ風呂入ってないんだぞ!?」
「知ってますけど、それが何か問題あります?」
何を当たり前のことを言っているのだという表情で見下ろされて絶句。
「大ありだ! ばかっ汚ねぇだろ! せめてシャワーくらい浴びさせろって」
「僕は気にしませんよ」
「俺が気になるんだよ!」
バタバタと足を動かして抵抗してみるが、力では到底敵わない。自分だって週に2回はジムに通い鍛えているというのに、こうも簡単に押さえつけられてしまうとは。
「暴れないでください。暴れると余計に興奮する」
「――っ」
欲情しきったギラギラした瞳で見据えられ、ドキリと心臓が大きく脈打った。
「理人さん、僕がどれだけ我慢してたかわかってるんですか? 貴方のあんな可愛らしい姿見せられて、我慢できるはずない」
「なっ、誰がいつ……かわ、かわいいって」
「観覧車の中での事覚えてないとは言わせませんよ? あんな狭い密室で……誘ってるとしか思えない」
「ちがっ、あれは――っ」
「もう黙って」
「――っ」
反論しようと開いた口はすぐに塞がれてしまった。再び口内を蹂躙するような激しい口付けに呼吸がままならない。苦しくて顔を背けようとしても許してくれず、逃げようとする舌を執拗に追いかけ絡め取られる。
「ん。ふ……っ、ん、んっ」
息継ぎの合間に洩れる声も飲み込まれ、頭の芯がじんと痺れた。角度を変えて何度も繰り返される口付けに思考がドロドロに溶かされていく。
瀬名の手がシャツの上から胸を弄り、布越しに突起を摘まれるとビクリと身体が震えた。
「あっ、やめ……」
「どうして? 気持ち良いくせに」
耳元で囁かれ、耳たぶを食まれ背中がぞくりと戦慄く。耳の穴に舌を差し入れられ舐られると、ぬるりとした感覚に堪らず腰が浮いた。
「ひぁ……ぁ、そこ、だめ……だ」
「駄目じゃないよね? ほら、乳首もぷっくり勃ってきた」
尖らせた舌を耳孔に差し込み、熱く濡れた舌先でねっとりと愛撫される。
同時に両方の先端を指で捏ねる様に刺激されるとじわりとした快感が生まれ理人の口から甘い吐息が漏れた。
「あぁ……やっ、やだっ、やめ……っ」
くちゅくちゅと耳の中で直接音が響くのがいやらしくて堪らない。布越しに胸の尖りを爪で掻かれ、そうかと思えば指の腹でふにふにと弄ばれて執拗な刺激に下腹部がじゅわっと疼く。
「止めていいんですか? 本当に?」
耳をぞろりと舐めながら息を吹き込むように囁かれ、その甘美な響きにふるっと全身が震えた。
「ここも触ってないのに凄い事になってますよ?」
「――っ!?」
スラックスの上から股間を撫でられ、恥ずかしい事実を指摘されじわじわと首から顔にかけて熱が集まってくる。
瀬名の言う通りそこはすでに窮屈そうに張り詰めていて、少し触れられただけでもピクっと反応してしまう。
「案外、耳と乳首だけでイけるんじゃないですか?」
「なっ、ばっ……あぁっ」
「試してみましょうか」
瀬名はそう言って口元に意地の悪い笑みを浮かべると、ベッドの下からピンクのローターを引っ張り出して来た。
嫌な予感がして逃げ出そうとするが、がっちりと腕を押さえられ身動き一つとれない。
「理人さんコレ好きでしょう? 前もこれ使って沢山苛めたら凄かったもんね」
「す、好きじゃ……ないっ、そんなの……っ」
「嘘つきだなぁ。虐められるの好きなくせに」
カチッとスイッチを入れるとヴーっと振動を始めたそれを、瀬名は何の躊躇もなくシャツの上から胸に押し付けた。
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