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「男に二言は無いよな? 理人……。日時はお前が決めていいよ。あぁでも、僕はそこまで気が長い方じゃないから、タイムリミットを決めようか」 「ふ、ふざけんな! 誰がお前なんかに……っ」 そんな条件呑めるわけが無い。大体、どうして自分が蓮に抱かれなければならないんだ。 「10日だ。10日以内に時間と場所を決めてくれ。それ以上は待たない」 「勝手な事ばかり言うな! 俺は……ッ」 理人が怒鳴ると蓮の目がスゥっと細められた。蓮の鋭い眼差しが、理人を射抜くように見つめる。 「約束を破るのなら、それでもいい。その時は、君の秘密を会社にリークさせてもらうから」 「な……っ」 咄嗟に言葉が出なかった。例えハッタリだとしても、蓮ならやりかねないと本能的に思ったからだ。 「いいじゃないか。もう何十人と言えない位の男と寝たんだろう? そこに僕一人加わるくらい、今更変わらないくせに」 まるで悪魔のような囁きに、理人の背筋が凍りつく。 「チッ、このっ腹黒が……っ」 「僕が性格悪くて腹黒いのなんて、最初からわかっていた事だろ?  ああ、そうだ……キミの彼氏には言うなよ? 言ったらどうなるかは……わかるよな?」 悔しくて歯噛みした理人の顔を見て満足そうに笑うと、蓮はひらりと手を振ってナオミ達の元へと去って行った。

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