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焔④ずっと一緒にいたいと思った※
甲斐の耳元で沢山好きと言いながら抱いた。射精する時は愛してると囁いた。焔の言葉にビクビク反応する甲斐が可愛くて、ずっと一緒にいたいと思った。
でも、甲斐はどうしても帰りたがった。
その理由を焔は知っていたのだけれど。
「明日、フレイムとブラックナイトの戦う日だもんね」
「おまえ、知ってて……」
甲斐のことで知らないことなんてない、と言える程度には知っているつもりだ。
甲斐がフレイムのことを大好きなことも。フレイムと関われる仕事に就いているためには明日の出勤が大事なことも。
「俺のお願いを聞いてくれたら、明日帰してあげる」
だから焔の言うことをきっと聞いてしまうだろうことも。
焔の手元に向かって――正確には、焔の構えたビデオカメラに向かって、甲斐が足を開く。
先ほどまで焔のペニスを飲み込んでいたそこからはローションと白濁が混じり合ったものが溢れている。この状況に興奮しているのか、甲斐のペニスは少し硬度を取り戻していた。
顔を赤くしたままなかなか動かない甲斐に続きを促すと、ようやく覚悟が決まったのか、手をそこに伸ばす。
「ん、……ふぅ……」
ようやく入り込んだのは右手の人差し指。ぬるぬるなそこは甲斐が思っていたよりずっとすんなり入ってしまったみたいで、それに衝撃を受けている。
無意識に左手でそこを隠してしまいそうになるのを叱り、左足を大きく広げるために添えさせる。
「甲斐の中、あったかくて気持ちいいよね?」
指を入れたまま止まってしまった甲斐にまた続きを促す。甲斐はゆっくり中をかき回したり、浅く出し入れしたりする様子をカメラに見せてくれる。
「ん、あ…………あったかくて、ぎゅうってまとわりついてくるっ」
もう甲斐のペニスは完全に勃起していて、先端は透明な液で少し濡れていた。
指はいつの間にか二本になっていたけれど、甲斐の腰はもどかしげに揺れていた。先ほどまでの遠慮がちな動きではなく、快感を追い求めるように中を刺激している。でも、物足りないんだろう。
「指だけじゃ足りないよね?」
「ん、……たりな……」
「じゃあ言える?」
今すぐ挿入してしまいたいのをグッとこらえる。もう少し。もう少しで甲斐のおねだりが撮れる。
甲斐は足を開くのに使っていた左手を、そこに持っていく。そして左右の人差し指で遠慮がちにそこを開いて見せた。
甲斐の体の内側がカメラの前に晒される。
「…………正岡の」
「名前」
「……焔の」
「うん」
「焔の、ペニス、ほしい…………俺の中に、いっぱい……種付けして。ぜんぶ焔のものにしてください」
顔を真っ赤にして、焔が先ほど要求しておいた台詞を口にする。
興奮する。
台詞の途中で、まだ中に残っていた精液がこぼれ落ちて来たのが本当にエロい。
「さっき沢山出してあげたのに、もっと欲しいんだ?」
「んっ…………ほしい……」
「そんなに欲しいなら、自分で入れてみて?」
「は!? 話が違っ――」
「別に俺はこのまま寝ちゃってもいいけど、だったら明日は甲斐のこと離してあげられないなあ」
焔はベッドに横たわる。ビデオカメラは迷っている甲斐の表情を撮す。
「……わかった」
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