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第17話 地獄のショッピング
「西尾様、いつもありがとうございます。お待ちしておりました」
「ああ、いつもありがとう」
ビシッと有名ブランドのスーツとネクタイを着用した壮年の男性が、わざわざ駐車場まで迎えに来て陽彦に頭を下げている。俺はそのブランドロゴを見て顔引き攣らせる。最高級ブランド、うちの店の人たちが客に強請れたら最高のものと言っていたブランドだ。
そんなブランドの中を間に合わせのパーカーとスウエットを履かされた俺は、西尾に連れられるまま車から店へと案内された。勿論四つん這いでだ。
店の中へは特別な階段を使い、そのままVIPルームへと案内される。見たこともないような高いカバンが壁に並ぶ部屋。
陽彦は慣れてるのか、VIPルームのソファに座ると、店員から渡されたウエルカムドリンクのシャンパンを飲み始める。陽彦の足元に座る俺には、柔らかな花の香りがする甘いソーダ水が店員から手渡される。
プラスチックの紛い物のようなシャンパングラスは店にもあったが、自分が使うことは殆ど無い。更に手元にあるのは、本物のガラスが使われている。こんな薄いものを、割らないか心配になりながら、中のソーダ水を飲んだ。甘いが、美味しいかと言われると、自分的には普通のレモネードソーダとかのが好き。
ぽかんと場に飲まれて縮こまる俺とは違い、陽彦は先程の壮年の男性が準備して並べたモノを眺める。
「こちら、ダイナミクス用の首輪でございます。リード、ハーネス、顔のマスクもございますし、吸水速乾性に優れた服などもございます。勿論このようなものも……」
首輪やハーネスだけではなく、普通の服から卑猥な服。そして、鞭や縄、手錠なんかも用意されている。
こんなものも売ってるのかと、俺は思わず目を見張った。その中でも、一際目にとまるものがある。
「黒のクロコ 、いいな。これ一式」
全ての道具が黒のクロコ張り。道具を仕舞うケースまでクロコ張り。デザインもとても上品である。張り型も、鞭も、手錠もあるけれど。クロコを引き立てるような金や高そうな木材も使われていて、見ただけで高そうである。
「ありがとうございます。お洋服も……」
「ここから、ここまで。あと靴もだな、月代フィッティング。靴いくつ?」
「24.5です」
用意された靴をいくつか履いて、やはりスニーカーやサンダルが楽だなあ。ただそれだけではなく、革靴も履かされた。上の服と靴のアンマッチ感は凄い。しかし、なぜかハイヒールも履かされた。
「あの、これ」
「スーツも用意しておくか、採寸を」
「え、いや、あの」
「月代、服脱げ 」
俺は慌てて服を脱ぐ。下半身は貞操帯と、アナルプラグもそのまま。それを、今初対面の壮年の男性に晒しているのだ。しかし、男性はプロなので、眉を一つ動かさず、俺の身体を測り続ける。
「西尾様、お急ぎ仕上げで?」
「ああ、あとは、適当にこいつに合う服をもってこい」
どんどん購入品が山積みになっていく。ほぼ裸になったままの俺はただその光景を眺めることしかできない。陽彦は、俺の頭を撫でていると、何かに気づいたのか男性店員に声をかける。
「おい、ここでダイナミクスの主従登録ができるのか?」
「はい、ダイナミクス主従合意証明書を用意しておりまして、この建物裏の役所への登録まで行えます。取り扱いは婚姻届と同じですので」
「月代、出すぞ」
陽彦は楽しそうな声で、俺にそう話しかけた。
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こちらの作品は、fujossyでの公開を中止し、
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金曜日前日
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