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第16話 地獄の移動中
リムジンの後部座席。俺は相変わらず裸で、陽彦の足元に座っていた。しかも、陽彦の大きく広げられた足の間に体を納めている。
首輪から伸びた安いリード。陽彦は堺に行って、とある有名なブランドに向かっていた。
「外商が掻き集めてくれてるから、似合うやつ何個か買わないとな」
「んぅっ……んっ、ん、一個でだいじょぅぶ……」
「駄目だ、俺の隣に立つのに貧乏くさいだろ」
頭を撫でられた俺は、仕方なく陽彦の股間に顔を埋める。この体勢でないと力が入って、月代の穴を広げるアナルプラグを意識してしまう。アナルプラグは中で膨らむようになっており、膨らませるためのポンプ部分は陽彦の足の近くにある。
慣れた頃に膨らませられ、常に痛みが伴っていた。
ダイナミクスが一般的になり、ジェンダーレスの一環として、色々な高級ブランドにはダイナミクス用の商品が置かれるようになった。
元々、首輪に関してだけはΩに向けたものもあっが、Ω用の首輪は太さがあり、頑丈かつリードをつなぐ場所がないものばかりだ。何せ、Ωにとって首輪は生命を守る道具である。
Sub用のはあくまでもプレイ用。お洒落さや、スタッズが着いていたりと、おそろいのリードがあったりと幅が広い。また、鞭もたくさんあったり、プレイバッグなども売っている。
俺も過去に何度か有名なブランドのダイナミクス用のグッズを見かけたことがあった。
しかし、やはり需要の問題で希少性からか、おいそれと手を出しにくい値段だったと思う。
シュコッ
ふと違うことに気を取られていた俺、それに気づいた陽彦がポンプを一回足で踏んだ。入ってきた空気分ギチギチと膨らむアナルプラグ。新たなに与えられた痛みに、身体が震える。
「んん゙っ、はっ、るひこさ、ま……!」
「ん? どうした? 辛いか?」
痛みに震える身体、思わず顔を上げて陽彦を見ると、楽しそうに俺を見ている。たしかに穴も辛いが、それ以上に前がつらい。
今、俺のアソコにはステンレス製の貞操帯が着けられている。しかも、敢えて俺のが入るギリギリの大きさだ。ただでさえ痛みを快楽として受け取る体にとって、穴が広がる痛みと前の膨張を押さえつける痛みは、大変悪循環な快楽となっている。
自分の性が恨めしい。増していく快楽と痛みに、脂汗が流れる。
「月代、今どんな感じだ?」
「い、いたいです、ち、んぢん、ぃだいっ」
「じゃあ、ケツは大丈夫だな」
シュコッ
「ヒッ……!」
ギチギチとまた広がる。どちらの痛みかわからない、段々とその悪い循環で身体が熱く、そして、だらりと力が抜けていく。
痛い、気持ちいい、痛い、気持ちいい。身体がSubの本能で支配されていく。もっとイジメて、もっと痛いのがほしい。
「……涎 で、俺のパンツ濡れてんだけど? お仕置きか?」
「ン゙っ、んんぅ……!」
陽彦の言葉が耳に届いた瞬間、身体に変な電流が流れた。お仕置き、ご褒美、もっといじめてほしい。びくびくと震える身体は、止まることができない。
「まさか、イッた? まじで、マゾすぎないか? まあ、お仕置きは買い物のあとだ」
陽彦は快楽に震える身体を優しく撫でた。
その些細な刺激すら、快楽として身体が拾ってしまっていた。
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