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Child's Play(後)

「スワロー、ぁあ」 ちっちゃいピジョンが汁まみれでねだってくる。 華奢な体を表返し、お互いの手を組み、快楽と苦痛に煮溶かされ切なげに歪む顔もじれったく上擦る腰も隈なく目に焼き付けて余さず俺のもんにする。 「入れんぞ」 お前の全部正常位で独占してやる。 手をキツく握り合ったまま囁き、ペニスをアナルに添える。ピジョンが床を蹴ってかぶりを振る。大きく剥かれた目には怯えと戸惑い。 「すあろっ、や、怖」 「大丈夫、入るよ」 「無理だ壊れる。サイズ合ってないし、ぅぐ、体格差を考えろ」 「寸止めで足りんのか」 「裂けたら縫うんだろ?痛いのはやだよ、お前乱暴にするし」 いやと言ったりいいと言ったり忙しいヤツ。結局どっちだよ? 相も変わらず優柔不断なピジョンにイラ付いて、先走りを潤滑剤にした竿で会陰を擦り立てる。 「ふぁンっ、ぁあっンっふ」 「色っぽい声で喘いで、大人を誘ってんのかエロガキ」 「違……く、くすぐったくて……むずむずして、ぁっや、止まんないっあぁっ腰が勝手に。膝裏がなんかひくひくしてっ、ぁあっ、ンふぁ、そこぬるぬるするのよせ、よすぎてぁあ」 膝裏を痙攣させ昂るピジョン。 背中が弓なりに反り、いやというほど手ごねしたピンクの乳首がそそりたってく。 「ひあっ、ンあぁあ」 最高にエロい眺め。素股で刺激してやりゃ涎が粘っこく糸引く口を開け閉めし、爪先をキュッと丸め込む。 「まだ突っ込んでもねェのに腰が浮いてる」 「あふっ、あァ、だって太いっ、熱くて固いのでゴリゴリ」 ぷっくら腫れた会陰を絶え間なく責め立てられ、ピジョンが弱々しくしゃくりあげる。 「いじめないで……俺、は、兄さんだぞ」 なめらかな喉に嗚咽が詰まって濁る。 小さい兄貴を見下ろしていると意外なにも胸が疼く。今までもさんざん酷い仕打ちをしてきたのに、子供返りしたけで尻込みする心の働きが解せない。 だってコイツは、今目の前で泣いてるこのガキは、俺が申し訳程度に持ち合わせてた良心のかたまりだから。 俺はピジョンより早く大人になった、男に抱かれて女を抱いてセックスに味をしめた。 だけどあの頃のピジョンはただの小汚え洟たれで、お手製のスリングショットで空き瓶を撃ち落とすのに夢中なアホで 「……やだっていうならやめっけど」 ピジョンが泣き止む。 「お前ホントにスワロー?なんで俺の言うこと聞くんだ?」 「あのな……そのなりでやだやだ言われちゃ萎えんだよ、力ずくで犯してる気分になる」 こじ開けられる痛みも詰め込まれる息苦しさも、子どものうちから知らなくていいこった。 初めて抱かれた男の顔は忘れちまったが、めちゃくちゃ痛くて泣き叫んだ事だけはよく覚えている。 ピジョンがきょとんとして聞いてくる。 「ヤりたいんだよな?」 「挑発してんの?」 「すんなり引くことないからびっくりしてる」 「まあ……確かに痛てェこた痛てェだろうし、裂けでもしたら後始末が大変だ。白いの噴かせて気が済んだよ、ギャン泣きすんならぶちこまねえでも」 馬鹿、日和ってんじゃねえぞ。ンなヌルいオチで気が済むもんか。 実際下半身は今も衰えちゃない、固さと太さを増してく一方。ヤりたいかヤりたくないかで聞かれたら物凄くヤりてえが、あの頃俺を犯した連中と同類にだけは成り下がりたくねえ。 「……兄貴も一緒で気持ちよくなけりゃ意味ねーんだよ」 ピジョンをいじめんのは大好きだ。だけど痛がるだけで感じてもらえなかったら自信をなくす。 ふてくされてそっぽを向けば、不意打ちで手が翳され、くしゃりと髪をかきまぜられた。 「ずるいな。そんな可愛いこと言われちゃ断れない」 視線の先では仕方なさそうにピジョンが微笑んでいた。 「お前の方が可愛いだろ。この際だからきっぱり言っとくけど俺はガキとヤりたがる変態じゃねーぞ、どんな時でもどんなお前でもめちゃくちゃ欲しいだけだ」 ピジョンだから抱きたい大前提を突き付ければ、兄貴は顔を赤く染めて俯き、深呼吸で覚悟を決める。 「……わかった。最後に気持ちよくなれるなら、頑張って我慢する」 許しをもらって再び組み敷く。 指の股に食い込む指から熱が流れ込み、気も狂いそうに満ち足りていく。 認めるのは悔しいが小さくなってもやっぱり兄貴だ、半分血を分けた俺はこんな包容力も忍耐力も持ち合わせちゃいない。 子ども特有の体温の高さが心地よく手に馴染む。柔いケツを捏ねて広げて、ゆっくりと先端をねじこんでいく。 「んっ、はぁ」 「動きに合わせて吸って吐け」 へし折れそうな細腰を押さえこんで括約筋を通るが、せいぜい三分の一しか入らねえ。根元まで突っ込むのは躊躇って止まり、念を押す。 「やめとく?」 「だいじょぶ、イケる……ちょっとキツい、だけだから、ンぐ」 「ケツの穴緩めろ」 「そっちこそ縮めろ」 「じゃあ萎えること言えよ、母さんのムダ毛とか」 「母さんにムダ毛なんかあるか、綺麗に剃ってたろ」 「マザコンすぎて萎えたよ」 ひと思いに貫きたくなるのを辛うじて堪え、アナルにぎちぎちに埋まったペニスをちょっとだけ押し込む。 「っぐ、は」 ピジョンも辛いがこっちも辛い、狭い直腸に食い締められて汗が滲む。 「ふぁあっ、すあろー、ぁっ痛っぐ、腹くるしっ、ぁンぐっ、俺ん中お前で一杯一杯でっ、へその裏まで届きそうだ」 その感覚は覚えがある、大人とセックスする時に俺が感じてたオーガズムの慄きだ。 大量の脂汗をたらしてコートを掻きむしり、狂おしく蹴立て、もっと奥へさらに奥へ俺を咥え込もうとするピジョンの痴態がたまらなく劣情をかきたてる。 「お前ん中すっげキツい、肉と肉でぎちぎち。ケツもヴァージンに戻っちまったか、二度食いできてラッキー」 「すあろっ、ふッうぅッ、へその裏むずむずして熱いんだ、お前のまたおっきくなって、ドクンって」 三分の二まで入った。さすがに苦しそうだ。アナルの肉は限界まで引っ張られてる。ピジョンの媚肉が収縮し熱く蕩けそうな粘膜がペニスに巻き付く。 「イっちゃ、じっとして、も、すご、おかしッ、なる」 中に入れただけで動いてもねえのに、ピジョンは殆どイッちまってる。 押し込んで痛がるたびに頭をなで、じゃれるようなキスで気を散らす。 目を剥いて痙攣するピジョンを組み伏せ、馴染むのを待って根元まで突き刺せば、未熟なペニスが白濁をまきちらす。 「ッあ―――――――――――――――――」 「全部入ったじゃねえか。行き止まりに当たってんのわかるだろ」 「スワローあっ、動くなっ、ホントそれ無理っ中っ」 可愛いピジョンは俺を食い締めて離さねえ、もっともっととねだってくる。息をするのも忘れて喘ぐ口を吸い、貪るように舌を絡め合い、腰を浅くリズミカルに動かし始める。 「!?んっ、ぐ、ぅむっ、う―――――――ッ!」 ガキの身体でちゃんと感じまくってるのがエロい。負担をかけすぎねえように回復を待って抽送を続け、粘膜を巻き返し追い上げていく。 「すあろっ、お前のっ当たってすご、ふあぁ、一回止めっ、ぁっ漏らすっ」 「ションベン?」 「わかんなっ、はあっあすごいのくるっ、ッあっあンあッふぁ、お前のガツガツ当たって気持ちいっ、苦しいだけじゃないよ、お前ので腹が膨れて、あぁ」 「孕んじまった?」 ピジョンの表情から理性が蒸発する。俺を根元までずっぽり食い締めるだけじゃ飽き足らず自ら腰を揺すり、上手くイけないもどかしさに甲高く喘いで、精通したてのペニスから淡白な精液をしぶく。 「さっきからイき狂ってんじゃん。ちっこいまんまで抱かれて興奮してんの、ド変態」 これでも大分手加減してる、本気で抱いたら壊しちまうから。 細っこい肩や腰をいたわって抽送し、前立腺から快楽を覚えさせる。 優しくしたい庇護欲と抱き潰したい征服欲がせめぎあい、背徳感に溺れていく。 「前も後ろも開発してもらって嬉しいだろ、立派な大人だな。ペニスも泣いて喜んでら、どんどん透明になってくぜ」 「スワロー、限界だ」 「はあ?なんだって?」 呂律が回らないピジョンに頼まれ、わざと大声で聞き返す。 数呼吸おいてからピンクゴールドの髪を艶っぽく纏わせ、ピジョンが媚びる。 「イきたいんだ。お前と」 ペニスにへそを裏漉しされながら淫らに笑い、自分の方からキスを仕掛けてきた。 「それとも……俺の体じゃイケないか」 見た目は10歳程度のガキなのに中身はブレない兄貴のまんま、倒錯的な媚態に唾を呑む。 ピジョンがきっかり俺の目を見据え、息を荒げて宣言する。 「来いよ」 「なにもかもお見通しかよ」 フラチな唇を奪い、加減を忘れて腰を叩き付ける。一際強く前立腺を突かれたピジョンが仰け反り、脊髄を駆け上がる快感に全身をわななかせる。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っあぁあ!」 「ッ、ぐ」 中から伝わる痙攣がペニスを刺激し、体奥に精液をぶちまける。ずちゅりと引き抜いたペニスが白濁の糸をたらす。くたりとしたピジョンを咄嗟に受け止め、お姫様みたいに両腕で抱える。 「たくさん出たな」 「お前、のせいじゃないか。どこ連れてくんだ」 シャツとズボンを脱がして蹴りやり、真っ裸に剥いたピジョンを浴室へ運ぶ。腕まくりしてコックを捻りゃ温かい湯が降り注ぐ。 「あぷ」 「当たり」 「開栓前に温度調節しろよ、水か熱湯だったら一大事だ」 不満げにむくれるピジョンにノズルを向け、手のひらに伸ばしたシャンプーで洗髪。 ピンクゴールドの髪が濡れそぼって顔に張り付き、目隠しをする。 「……罪滅ぼしじゃないよな」 前髪で目元を覆ったピジョンが拗ねた声色で聞くのに、手は休めず答える。 「だったら?」 「怒るぞ」 「せっかく後始末してやってんのに」 「明日は毒を塗ったナイフが降るな」 濡れ髪に指を通して頭皮を揉む。他人の世話を焼くのは慣れてねえから変な感じだ。 シャワーでシャンプーの泡を流した後はボディソープをスポンジにプッシュ、小さい背中を擦り立てる。 「いたっ、いだだだだだ。痛いってば剥ける」 「わがままいうんじゃねえ、アンデッドエンド一のヤング・スワロー・バードが背中流してやってんだから光栄に思え」 「まだそこまでじゃないだろ、痛ッ」 「大人しく役得に預かりな、ここに女がいりゃ代わってくれって札束積む」 ツムジに膨らむシャボン玉を吹く。ピジョンはぶすっと黙り込み、それを指の背で受ける。 虹色の光沢を帯びた球面で顔が分裂し、前髪から滴る雫でぱちんと弾ける。 タイル張りの浴室に仄白い湯気が濛々とたなびく。 裏も表もスポンジでよく泡立て、股ぐらや内腿にこびり付く罪深い残滓を洗い浄める俺をよそに、大小のシャボン玉と戯れていたピジョンが口を開く。 「懐かしいな」 「何が」 「お前が小さい頃よく洗ってやった。毎日泥んこになって帰ってきたろ」 「覚えてねえよ、兄貴ぶんな」 「兄さんが兄さんぶって何が悪い」 「ガキのなりで兄さんぶっても滑稽なだけだ」 「昔はちっちゃくて可愛かったのに。縮め」 「やなこった」 「カルシウム削れ。牛乳とか飲むな」 コイツとシャワーを浴びると喧嘩ばかりしてる。 頭からシャワーをぶっかけて泡を落とした後、茹だった体にタオルを巻き付けた。 「……優しすぎて気持ち悪い」 タオルに顔を埋めて呟くクソガキを張っ倒したくなる。俺はソファーにふんぞり返って煙草をふかす。 「もうすこしたったら店行くぞ。ガキのまんまじゃヤリにくい」 兄貴はどんな姿でも兄貴だが、やっぱり元の兄貴がいい。元の姿が一番しっくりくる。じゃないと本気だして抱けねえと、えらい回り道した挙句に気付いちまった。 「あー……それって」 「小駄バトじゃ食いでがねえってこと」 「小駄バトっていうな」 「ダバダバ駄バト」 俺は人の世話を焼くのに慣れてねえし、兄貴は弟に世話を焼かれるのに慣れてねえ。早い話…… 「早く元に戻ってくれねえと、思っくそいじめてやれねえじゃん」 「俺のこと好きなんだよな?」 だしぬけに煙草を取り上げられた。ソファーを這って近付いてきたピジョンがにっこり笑い、灰皿で穂先を揉み消す。 「いい子だなスワロー。煙草をやめたらもっといい子だ」 「大人に戻ってから聞きたいね。今の絵面じゃ特殊プレイだ」 「甘やかされるのはお気に召さない?」 しょげるピジョンを横目で一瞥、煙草の煙でごまかそうとしていた本音を述べる。 「弟みてえな兄貴よか兄貴のまんまの兄貴がいい」 甘ったれた告白にピジョンは微妙な表情。そりゃそうだ、ブラコンが過ぎる。 無垢な姿で時が止まったピジョンを見てると、俺と過ごした歳月がいっぺんに消えちまったみたいで寂しい。 「俺のまんまの俺って、グズでノロマで意気地なしで何をやらせてもダメな駄バトか」 「グズでノロマで意気地なしで何をやらせてもダメなくせに根性だけはいっちょまえ。俺と一緒にでっかくなった、お前のまんまのお前が好きなんだよ」 どんなピジョンでも好きになるけど一番好きなのは兄貴のまんまの兄貴。 グズでノロマで意気地なしで底抜けのお人好し、豆鉄砲しか能がねえドヘタレのピジョンが実の所俺の一番だ。 だからこそ、その手のチマメを潰してやっとこさ掴んだ誇りを落としてほしくねえ。 俺が毎晩抱いてエロくした腰や優しく誠実な声を出す喉仏、モッズコートの寸法に合わせて伸びた背丈と肩幅、スリングショットをスナイパーライフルに持ち替えた手が恋しい。 スリングショットを卒業してもまだ俺に縋り付き、ガキの頃みたいに抱いてくれるでっかい手が。 さすがに恥ずかしくて素面じゃ出せねえ本音がなんとなく伝わったのか、ピジョンが人さし指を回し、ドッグタグの鎖をくるくる巻いていく。 「ありがとな」 半日後、白乾児をかっくらった兄貴は無事大人にもどったが…… 「あれ、ピジョンいねえのか。こないだうまいって言ってた酒持ってきたんだが」 「チェリーのくせに気が利くな。よこせ」 「てめえスワロー人の手土産しれっとイッキしてんじゃねえぞ」 「うるせえ俺の許しなく兄貴を連れだしたろ」 「お前がいたらキレ散らかすから安心して愚痴ぶちまけられねーだろ、鬱で飛び下りる前にピジョンに謝れ」 「変な味だな。中国酒?」 「快楽天のバーで飲める特別な酒だよ、確か白乾児って名前の……スワロー、お前縮んでねえか」 この顛末はまた暇な時にでも話す。

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