「どういう意味……です？」 「君が、桜和に好かれてるのかって意味」 「え……」 　そんなの訊かれて真っ向から「はい、好かれてます」なんて言える人間そうそういないですけど!?　少なくとも俺は言えない。 「まあ、答えなくてもいいよ。今のはただの確認だし、二人とも分かりやすすぎだし」 「へ」 　間抜けな声を出す俺を見て、和音さんはくすくす笑って頬に触れる。 「顔、真っ赤だから。神楽くん」 「っ!?」 　慌ててバッと両手で頬を覆うとめちゃくちゃ熱かった。 　頬を覆ったまま顔を上げると、和音さんがまだくすくす笑っていた。 　………朝から思ってたけど、桜和と和音さんってあんまり似てない……。 　顔立ちとかもぱっと見では兄弟とはわからないし、身長とかは桜和は高めだけど、和音さんはどっちかっていうと平均より少し低いと思う。 　髪質も桜和は真っ直ぐでサラサラの赤茶色だけど和音さんは少しカールした黒髪。そして何より──笑顔。似てない。 　意地の悪い笑みが桜和の素の笑顔。だけどきっと、和音さんは普通の笑顔が素なんだ。