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神出鬼没

「神楽くんは判り易いよねぇ」 「…はい?」  いつも通らない遠回りな道から生徒会室に向かっていた俺は今日もバッチリ和音さんに遭遇していた。  ……和音さんに遭わないように遠回りしたのに……  和音さんに遭ってしまうと桜和がすこぶる不機嫌になる。それを回避するためだけにわざわざ遠回りをしてきたのに、和音さんには全く意味のない行動だったらしい。 「桜和が近付くとすぐ顔が真っ赤になる。っていうか、桜和の話題をしただけで恥ずかしそうに俯く」 「っな、何言って……!」  とんでもないことを廊下で暴露されて危うく松葉杖を倒しそうになる。 「これでまだ桜和は気付いてないの? あいつも鈍くなったなぁ」 「……は……?いや、と言うか、和音さん今月でここ来るの何回目です……?」 「今日が22日だから13回目だね。ちなみにその程度じゃ俺は話題を逸らされたりしないよ?」  にこやかに真面目で正確な返しを受け、さらに(あからさま過ぎたのかもしれないけど)話題を変えようとしたことがあっさりバレた。

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