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確愛情事*
「……伊吹ィ」
「っは、ぁ、う……っ」
「……好きだよ」
俺から返事がなくても、閑さんは話し続けた。
「どこにも行かないで…………」
子供みたいな懇願に対して、行かないです、っていう言葉は、出てこなかった。舌が縺れて、零れるのはあられもない喘ぎ声だけ。
声にならない代わりに、閑さんの首元に腕を回して、ぎゅうっと抱き締める。精一杯の想いを込めて。
ねぇ、閑さん。俺ね、幸せなんです。
あんたが俺のこと好きだって、ちゃんと言ってくれて、心の繋がりがほしいって言ってくれて、本当に嬉しくて幸せなんです。
愛しくて愛しくて、数時間前とは別の意味で破裂してしまいそうだ。
だから、あんたがどこにも行かないでって言うなら、体はともかく──心だけは、絶対に貴方の傍に置いていきます。
貴方のことを、愛しているから。
律動の合間合間に落とされるキスが気持ちよくて、結局俺の気持ちは少しも言葉にならない。ただ、閑さんの「伊吹も、愛してくれる?」っていう質問にコクコクと頷くばかりだ。
「へへ、そっかァ」
にへっと締まりのない顔で頬を染めながら心底嬉しそうに笑う閑さん。いつもの人を喰ったような笑みじゃなくて、なんだかとても自然なのが似合っている。
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