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第三章・5
脱衣所で、乱れた正吾の衣服を解く朋。
もう何度となく繰り返されてきたそれは、儀式めいたものだった。
正吾の背に、朋は指を滑らせた。
そこには、極彩色の竜が彫られている。
「もうこれで、見納めかもしれないぞ?」
「覚悟しました」
どんなに元気に見えようと、正吾に残された時間は少ない。
朋はそれを肝に銘じ、彼の体を流した。
シャボンを泡立てたスポンジで、ていねいに洗う。
その性器を手に取り、そっと撫でる。
「いい気持ちだ」
「もっと、続けますか?」
「いや、いい。あまり、ゆっくりできないんだ」
だが正吾は、朋と二人でバスタブに浸かってくれた。
いつものように仲良く、100まで数えた。
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