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第十九章・5

 水族館の出口には、あの時と同じように、ドームの中で三角くじがエアーに舞っている。 「また、引きますか? くじ引き」 「うん、そうだなぁ。それより欲しいものが、あるんだ」  もう待てない、今すぐに買いたい、と竜也は言う。  そんなに欲しいものが、竜也さんにあるなんて。  朋は、ショップの中をぐるりと見渡した。 「何でしょうか?」 「解らない? 当ててみて」  うーん、と朋は首をひねった。 「チンアナゴの抱き枕、ですか?」 「はずれ」 「大きなイルカのぬいぐるみ、ですか?」 「残念」  何を言っても、竜也は首を縦に振らない。  朋は、もう降参だった。

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