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第21話

え、待って、....。 俺....? えっと、遠藤さん、はつまり、俺、な訳だが....。 「....遠藤さん?」 暫し考えていたら無言になっていた。 が、理解し終えた俺は誤って抑えていた口元から、ぷ、と笑いが吹き出してしまい、やばい、と思った、が既に遅し。 凍てつく空気を感じた。 「....今、笑いました?遠藤さん」 「い、いや、笑ってなんか!あー、最近、喉の調子がどうも」 ケホケホと咳をし、誤魔化そうと必死な俺。 電話の向こうのイキリうさぎこと、聖也が納得していない気配。 「....笑いました。笑いましたよね?笑われても仕方がないんです!友達にも言われました!」 いきなり聖也の至らん癖、自己否定が開始しようとしている。最後は雄叫びに近い。 「笑われた?どう、お友達に笑われたんです?」 慌てて、どうにか流れを変えようと必死に冷静に尋ねた。 「笑われてはないです!見たことも会ったこともないのに、好きになるのはどうか、てことです!もし遠藤さんが既婚者だったり、僕、遠藤さんを良く知りもしないのに!て!遠藤さんがもしハゲたおっさんだったらどうする、て友達にも言われました!」 息継ぎ、どうやってんの?てくらいに一気に思いを吐き出した聖也だが....。 「は、ハゲたおっさん....?」 しん、と一瞬、聖也がやばい、と感じただろう空気を感じた。 「ち、違うんです、た、例えば、て、は、話しで....」 さっきの勢いはどこへやら、唐突に狼狽え出した。 これはなかなか面白い...と俺はほくそ笑んだ。 「....ちなみにイキリうさぎさんが思い描く私のイメージはどんな感じです?」 「い、イメージ....」 「はい。怒らないので、安心して教えてください」 すう、と聖也が息を吸う音がした。 と思ったら吐いた。 ....まずは深呼吸かよ。 頑張れ、聖也。

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