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ラーメン&LIKE or LOVE...?

不意に目が覚めた。 隣を見るとベッドに寄りかかり、なにやら雑誌を読んでいる誠さんがいた。 「あ、の...誠さん」 「ああ、起きた?おはよう」 優しい笑みで俺を見る。 「喉乾いたでしょ?随分ぐっすり眠ってたし。なにか飲み物持ってくる」 「あ、はい...ありがとうございます」 一度、笑顔をくれてから、 「ちょっと待っててね」 と、誠さんは部屋を後にした。 寝顔、見られてた、のかな...恥ずかしい。 しばらくすると、二人分の麦茶を持って誠さんが戻ってきた。 「理一もぐっすり眠ってるみたいだよ」 「そうですか...早く良くなるといいな」 「だね。母さんがさ、子供は風邪を引きやすいから、てあまり心配しないように、てさ。陽平くんに」 麦茶を手渡してくれながら誠さんがそう言ってくれ、頼もしかった。 誠さんもお義母さんも...。 もう結衣とは離婚しているというのに...有難いと思う、本当に。 「で、ラーメンでいい?本当に。他に食べたいものがあるなら言ってよ。田舎だからあるかどうかだけど」 屈託なく誠さんが笑った。 そうして、誠さんの運転で以前、誠さんが行きつけだったらしいラーメン屋へ向かう。 小さなこじんまりとしたラーメン屋。 店内に入ると急激にお腹が空いてくる、嗅覚をくすぐる匂い。 「どうしようかなあ、やっぱりチャーシュー麺かな。陽平くんは?」 「僕は...煮玉子入りで」 向かい合い、BOXに座り箱ばれてきたコップの水で喉を潤す。 そうして。 「いただきます」 箱ばれてきた煮玉子入りのラーメン。 「...久しぶりだ。美味しそう」 「だね」 割り箸でラーメンを啜り、レンゲでスープを啜り、気がつけば夢中になり食べていた。 目の前の誠さんが不意に、ふふ、と笑った。 「あ、すみません、つい、美味しくて」 「いや、喜んで貰えて良かった。味、落ちてないなあ、久しぶりに来たけど。替え玉するかな、陽平くんは?」 思わず、威勢よく首を縦に振った。 「理一を連れていくのはまだ早いし、てなかなか来れなかったから...良かったです、本当に。ありがとうございます」 「理一にも早く食べさせてやりたいな」 「はい」 俺だけではなく、理一のことまで気に止めてくれる誠さんが...好きだと思った。 どんな、好き...? LIKE、だよね...今まで男性を好きになったりしなかったし... LOVE、なわけ...ないよね。 唐突にドキドキして...正面の誠さんの顔を上手く見れなかった。

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