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Chapter3-3※
シャワーから出てきた京介の髪はしっとりと濡れている。いつものきっちりとした装いとは正反対の、Tシャツにジャージパンツというラフな格好と風呂上がりゆえに火照った肌から溢れ出る色気に思わず息を呑む。
「ちゃんと乾かさないと、風邪ひいちゃいますよ」
京介の肩にかけられたフェイスタオルの両端を持って早苗は背伸びをする。タオルを絡ませた指で京介の頭皮を撫でる。向かい合っていたせいで、京介が少し屈んだら唇が触れそうだ。
「……早苗」
そう言って京介が早苗の腰に右手を添えた。いつもより熱い手のひらの温度が肌着越しに伝わって来るせいで、心臓は痛いくらいに鼓動している。全身の血液が激しく巡り、早苗をどろどろに溶かしてしまうのではないかとすら思えた。そんな早苗を、京介は欲情した目で見つめている。
(――ああ、この男に支配されたい)
そんな欲望が早苗の中に生まれた。
「抱いてくれますか、京介さ――」
そう言い終わる前に、京介は噛み付くように口付けた。
京介の長い舌が歯列をなぞったり、早苗が応えようと必死に動かす舌を絡め取り吸い上げ、甘く噛む。彼から与えられる刺激が快感となって全身に駆け巡る。そんな激しい快感から逃れようとして離れていく早苗の腰を、京介は右腕を巻き付け自分の方へと引き寄せた。薄い布越しに京介の体温が伝わってくる。早苗はより一層の気分を昂らせた。
「……ッん」
「キスだけで早苗のここ、一生懸命立ち上がってる……」
排泄にしか使ったことのない早苗のペニスが小さく主張していることに気がついた京介が、空いている方の手をゆっくりと這わせて柔らかい刺激を与える。
「ぁ……ッ、ふ……」
慣れない快感に、半開きになっていた早苗の唇から濡れた声が漏れる。発情期の行為では、京介が早苗の前に触ることはほとんどない。
恥ずかしい。けれど、もっと強い刺激が欲しくて早苗は、京介の首元に腕を回し首筋に顔を埋める。体が密着すると、下腹部で京介の屹立の気配を感じた。
「ベッドに行こうか、早苗」
「はい……」
キスだけで腰を抜かしている早苗を、京介は抱き支えながらベッドへと誘導し、そのまま組み敷いた。再び唇を合わせると、京介の湿った前髪が早苗の額にサワサワと当たる。湿っていることでより一層濃く感じられる京介の匂いに、早苗は酩酊しているような気分になった。
ベッドに横たわったことで自由になった右手で、京介は早苗の肌着をたくし上げた。そして腹から胸部を滑るように撫でる。時折、京介の指先が胸の突起を掠める。
(――気持ちいいけれど、物足りない。もっと強い刺激が欲しい)
そんなことを考えていると、今度は指の背で撫でられる。さっきよりも強くなった刺激で、思わず腰が浮いてしまう。なんとか耐えようとして両手で枕の端を握りしめた。
「ん……っ」
早苗が鼻から嬌声を漏らすと、京介の唇が離れていった。舌で揉みしだかれた唇がジンジンと熱を持っている。
「気持ちいい?」
こくこくと早苗が頷くと、京介は満足そうに口角を上げた。そして体をずらし、早苗の胸の辺りまで移動すると片方の手の指で胸の突起を転がして、もう片方の突起を舌で転がした。
異なる刺激を同時に与えられ、下腹部が疼く。これ以上されたら、パンツの中で吐精してしまいそうだ。
「まって、くださ……」
京介の下から抜け出そうともがくと、京介は唇を少しだけ離した。
「どうした?」
舌は離れたが、指が止まる気配はない。
「……その……出そうで……」
早苗が足を擦り合わせながらう訴える。こんなことを口に出すなんて、恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
「構わない」
そう言った京介は、早苗のウエスト部分のゴムに指をかけて下着ごと下ろした。外気に晒されて、一瞬ぷるりと震えた。
「こんなに蜜に塗れていたのか……」
そう言って躊躇うことなく、早苗のトロトロになったペニスを口に含んだ。
「え……あの、だめっ……」
早苗の制止も聞かず、京介は強弱をつけて早苗のそれを蹂躙した。京介の口の中で吐精するのは避けたいと我慢するが、限界がきたのはすぐだった。
「い……っく……」
最後の抵抗と、京介の頭を押しやるがそれを物ともせず、舌を絡めて早苗が吐き出した精を啜り上げた。そしてあろうことか、喉を鳴らしてそれを飲み干してしまったのである。京介が口を離すと、早苗のペニスはへたり込んだ。
「そんなの………飲まないで……くだ、さいよ」
「もったいなくてな」
「……っ!」
息も絶え絶えに早苗は訴えたが、京介から返ってきた言葉があまりに恥ずかしくて、枕に顔を埋めた。京介はそんな早苗の反応にこれ幸いと、ズボンを足から抜きさる。そして、早苗の膝の裏に手を入れ持ち上げて開いた。
蕾から垂れた蜜を掬いあげ、指で円を書くように縁に塗り込み、つぷりと人差し指を入れる。
「んっ……」
侵入してきた京介の指は、早苗の良いところを刺激しながら、ゆっくりと早苗の後孔の緊張をほぐしていった。物足りなくなった早苗の孔が指に吸い付くと、京介は指を抜いてズボンを脱いだ。
立ち上がった京介のペニスはまさに男根と称するのがふさわしい出立をしている。
匂い立つ雄のフェロモンに、早苗は思わず涎を垂らした。
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