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05 Hikaru.side

『おやすみ、カゲノ』 ごめんね、騙してて。 だけど、人間のフリしてなきゃ、カゲノは俺を愛したりしなかったでしょ? こんなに、俺に溺れたりしなかったでしょ? 『俺はね…』 意識を失ってしまったカゲノの髪を、そっと撫でた。 ふわりと、優しい香りがする。 『カゲノのこと、ちゃんと愛していたんだよ』 でも、俺は叶人を手に入れなきゃならなかった。 『カゲノがもし…』 悪魔だから。 人間だから。 なんて、そんな下らないことに囚われないで、俺を殺してでも手に入れようとしてくれてたら… 『カゲノのものに、なってあげたかもしれないのに』 まだ、チャンスはあるよ。 次はカゲノの夢の中で、もっと俺に夢中になって? もっと…俺を愛して? カゲノの心が、壊れちゃうくらいに。 『愛してるよ、カゲノ』 眠っているカゲノの唇に、そっとキスを落として、叶人の夢の中に意識を繋いだ。

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