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「酔っ払いにキスなんかして…ゲロったら、どうする気だったんだよ」
「…それは、考えて…ませんでした」
(本能に、従順になってしたってか?)
何が知徳のスイッチを押し、男とキスしたいと思わせたのかは分からないが、酔っ払っているのは自分だけではないという証拠かもしれない。
…コップ酒で酔うほど下戸ではない。
しかし疲れた体にアルコールは覿面に利いたらしく、恐らくそれは後輩で同僚の知徳も同じなのかもしれないと思うと、怒る気にもなれなかった。
酔っぱらいの戯れ。
あ~、よくあるよくある~…と、泥沼へ沈み込むような眠りに誘われ頭をベッドに戻すと、すーっ…と、穏やかで心地好い眠りに全身が吸い込まれる。
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