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「いえ…おかげで、目が覚めました」
殴られたショックを和らげようとしているのか、暫く目蓋を閉じていた知徳はそう言うと、快斗の脇腹の辺りに両手をつき、体を持ち上げた。
(マジかよ)
自分の上から退こうとしている気配に、殴って正気に戻るんだったらもっと早くにやっときゃ良かった、と、思わず安堵の息を漏らす。
やっぱり酔っ払ったせいで、おかしくなってたんだ――と、快斗が気を緩められたのは、その一瞬だけだった。
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