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「村瀬。おい。村瀬っ!」
肩を揺すられて目を覚ますと、俺の机の脇には担任でもある英語教師、工藤 が立っていた。
寝起きでぼんやりしながら体を起こして、あくびを我慢しないでためらうことなく大口を開けながら伸びをする。
「俺が声掛けてんだからちょっとは気にしろよ」
担任は呆れたように言うとため息を吐いて目を細めた。
寝ていたことに対する文句か?今更だろう?
特に気にも留めずに首に手を付いて回す。
「で?くーちゃん、何か用?」
百六十五もない小柄で下手な女の子より断然かわいいその担任を見上げると工藤はその大きな目を細めた。
「ちゃんと先生と呼べ」
「大きくなったらね〜ぇ」
ひらひらと手を降って立ち上がると、工藤はパッと俺の腕を掴む。
「どこ行くんだ?」
「んー?くーちゃんも寝るー?いっぱい寝ると大きくなるみたいだし?」
「フザけんなっ!クソガキがっ!!こっちはお前の倍生きてんだよっ!!ナメんなよ!」
喚く工藤を見ながら俺の肩までもないその頭に手を付くと微笑んでから俺は教室を出た。
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