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「ったく、お前には羞恥心とか常識とか理性はないのか!」  放課後、今日も捕らえられて英語科準備室に連れてこられた俺はもうため息しか出ない。 「shame、common sense、reason!」 「日本語でもわかんねぇのに英語にすんなよ」  無駄に……いや、教師としてはいいのかもしれないが発音のいい英語にげんなりする。 「お前の無駄な元気は奪っとかないと聞かないだろうが!」 「元気なくなったらやれるかよ!女の子のおっぱいないとやる気出ねぇし。彼女居るならわかるだろ?くーちゃんだって……」 「黙れ!万年発情バカが!!」 「ひっでぇ!俺、童貞なのにー!」 「は?って、そんなんどうでもいいわ!やるぞ!」  一瞬きょとんとした顔はちょっとよかったのに工藤はすぐに切り替えて赤ペンを持った。  バツだらけのプリントを丁寧に最初から解説されてそのアルファベットを見るだけで眠くなる。 「あれ?科会やりますが……工藤先生、どうします?」  不意にドアが開いて顔を出した中年の教師。  その出現で一瞬現実に戻ってきたが覚醒するには至らない。 「あー、忘れてましたっ!!ちょっとこの村瀬を図書室にでも置いてくるので先に始めてもらってもいいですか?」 「じゃあ、開始を十五分後にしましょうか。準備だけしていますね」 「すいません。ほら!村瀬!立てっ!!」  立ち上がった工藤がその先生と話終えたらしく俺の右腕を引き上げる。  まだちょっとぼーっとしているのにリュックを持たされて俺も立たされた。

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