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夢の舞台へ①
大学三年生になると、誰もがゼミに所属することになる。それは大抵の学生の間では常識で、例に漏れず僕もどこのゼミに入るか、希望を出す必要があった。
主体性ゼロの僕が悩みに悩んで選んだのは、奏と同じメディア系に特化したゼミ。たまに映画を観れることと、単位を取りやすい教授が担当していることが、そのゼミを選んだ理由。
未だに自分の将来も決めかねているぐらいだ。
漠然とどこかに就職できたらいいなあとしか思えない自分に焦りもある。
だけどまだ就活までは時間があるし、一先ずはこのゼミで単位を落とさないように頑張ろうと思っていたのだけれど……。
「吉良 と西園 、ゼミの親睦会来るよな?」
「えーと……うん、行くよ」
「幹事やってくれてありがとう」
「好きでやってるから気にすんなって! またグループに詳細連絡するわ〜」
まさか、学科内の陽キャが集まるゼミだなんて知らなかった……。
明らかに自分とは住む世界が違うのに、それでも親しく話しかけてきてくれるのはありがたい。ありがたいんだけど、その優しさが痛かった。
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