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絶望のはじまり2
ガチャ、、
扉の開く音に反射的に体が跳ねる。
胸がバクバクする…怖い。
「お、もう目覚めたのかい?幸」
聞き覚えのない声だ。
どちらかというと低めの声質。喋り方はいけすかない感じ。
声の持ち主が誰かというのは今のところ記憶に無い。
コツコツ、、
次第にこちらへ近づく音が聞こえ恐怖に身構える。
「…っ」
「本当にかわいらしいよ、君は」
「ひっ…」
突然冷たい手に頬を撫でられ情けない声が部屋に響く。
「幸、初めて君に出会った日から今日という日を待ちわびていた。俺たちは惹き合う運命だったんだよ、さながら貝殻合わせのようにね」
意味が分からない
何を言ってる?
自分に酔ってるのか?こいつ
「お前、、誰だ?訳分かんねー。離せよ」
「おやおや、つれないね」
「触んな!消毒臭いんだよっあんた。つーか、ケツのなかにあるやつ取れって!痛い」
コイツの手が頬に触れた瞬間感じたツンとした独特な消毒臭。
視覚を奪われている今だからこそ感じるのかもしれないが、これは有力な手がかりだ。
医療職?
だけど、そんな知り合いはいない。
「痛い?いいの間違いじゃないか?」
「んな訳ないっ。つーかなに突っ込んだんだよ」
「バイブ。大丈夫安心して。はじめての幸でも辛くないように細いのを選んだから。じゃ、また来るよ。それまで楽しんで。イキたかったらイってもいいよ」
無情にも閉まる扉の音と囁かれた言葉に返す言葉が見つからない。
バイブ、、バイブってあれだよな?
女を悦ばすアレ。
男なのになんで?なんでだよ、、
くそっどうしてこんなんなってんだかまるで思い出せない。
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