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第7話
それで全てが一気に繋がった。
いつも一緒に居たのも、ぬいぐるみのお礼をイケメン兄さんが言ったのも……芽衣が浴衣が色違いだって言ったのも。
2人は恋人同士なんだ。
だから、あんなに仲良しだったんだ。
「五月」
芽衣に手を掴まれ、その場から連れ出された。
グイグイ引っ張られ俺は歩く。
「ジュース奢ってやる」
2人分の金を自販機に入れてジュースを2本買う芽衣。
俺の胸にジュースを無理矢理押しつけてきた。
「芽衣」
「なんだよ?」
「……俺、失恋した?」
その質問に芽衣は答えなくて。また、手を引っ張られて近くのベンチに俺を座らせた。
「キス……しとった」
「そうやな」
「やっぱ、俺……失恋したんだよな?」
再度確認。
「そうだな」
聞きたくない返事をされ、俺の視界は滲んできた。
涙がポロポロ零れてきて、どうしようかと思った時に俺の顔を芽衣の顔が横切る。
そして、唇に温かいものが触れた。
んん?
俺は驚いて芽衣を見た。
「すげえ、涙止まった」
ドヤ顔の芽衣。
「なに?」
今のは……何?
「五月がチュウして欲しそうだったから」
「は?」
「俺は何となく気付いてたよ碧さんとあの人の事、お前は一途に見てたから気付いてないみたいだったけど」
何だそれ?と思った。第3者から見るとそうなのかな?俺は気付かなかった。だって……男の人だよ相手。……でも、俺も男の子な碧さんを好きだから同じだ。
「俺気付いてなかった、どうせバカだって思ってんだろ?」
「はあ?バカとか思うか馬鹿!」
「結局どっちだよ、それ」
「お前が気付かないのは仕方ないだろ?碧さんしか見てないんだから、それと同じで碧さんはいつもあの人を見るとお前と同じ顔してた」
「どんな顔だよ?」
「恋してる顔」
そんな顔、俺してたのか?ちょい恥ずかしい。
「俺は……俺だって五月を見る時はそんな顔してんだよ!お前は気付かないけど」
芽衣の言葉に俺は固まる。
「何それ?」
「どうせ振られると思って言わない気だった」
「何それ……俺を好きって事?」
「ちかっぱ……」
芽衣がそう言った時に大きな花火が打ち上がった。
照らされた芽衣は花火のせいか赤く見える。
「なんか……嫌じゃないかも」
「は?」
嫌じゃない……その言葉に芽衣も固まる。
「なんか、嬉しいかも」
俺はそう言うと芽衣の横に立ち、花火を見上げた。
芽衣が俺の手をギュッと握ってきたのが分かったから握り返して。2人で花火を見上げる。
失恋と痛手が芽衣の告白と花火で和らいだ。
end
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