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第18話
クレイは……
こんなにも俺を想ってくれる。
大切にしてくれる。
上官への忠義だけだとは思えない。
やはり、クレイは……
俺達は……
「何か聞きたそうな顔をしていますね」
「あっ」
気持ちが顔に出てしまっていた。
「もしそうでしたら、それは後でゆっくりと。今は、目の前の局面を乗り切る事に集中しましょう」
頷いた俺の肩をクレイの両手が包んだ。
「いい顔になりました」
ぽんぽん
「ここが正念場です。さぁ、参りましょう」
二度肩を叩いたクレイの温もりが優しい。
軍事法廷の扉が開く。
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