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第19話
ゴゴゴゴゴォォォー
重厚な音を立てて、法廷の扉が開く。
眩しい。
思わず目を背けた。
真っ白な光が網膜を刺す。
やがてゆっくり瞼を開ける。見上げると、まるでオペラハウスを彷彿とさせる荘厳華麗な壇上に何人もの人影が見えた。
正面。法衣をまとう、三人の厳格な壮年男達は裁判官だろうか。
すると。
「二段目右側の三人と、左側の四人がこの裁判の陪審員。七賢者です」
ジャンダルム七賢者
あの中に真犯人がいる。
そっと耳打ちしたクレイに目配せして、気を引き締める。
チャンスはこの法廷のみ。
この先、彼らと接触する機会は皆無。何としても突破口を開かねば。
カッ
軍靴が鳴った。
クレイが裁判官と陪審員の七賢者に敬礼する。
クレイを真似て、俺も敬礼した。
年若い者から老年の者まで。七賢者達が値踏みするように俺を見下ろしている。
「ヴァイスリッター、失礼します」
カシャンッ
「規則です。ご容赦を」
甲高い音を法廷に響かせて、手首に金の手錠がはめられた。
低い声音で囁くと、青い瞳がうかがうように俺を見つめた。
大丈夫。
そう交わした瞳に思いを浮かべる。
俺がしっかりしなくちゃ。
カッ
軍靴が響く。
言葉を交わせない代わりに、最大級の敬意を込めた……美しい敬礼だった。
向き直ると裁判官に敬礼し、踵を返してクレイは法廷を去った。
ここは戦場。
俺、戦うよ。
開廷!
高らかに裁判長の号令が響き渡る。
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