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第43話

 両腕の鉄甲に赤い影が燃える。  引き金を引いた瞬間、衝撃が貫いた。  グオォオーン!  閃光が轟く。 『予備ブラスターを発射しました。熱源反応で敵を撹乱します』 「これなら敵は」 『そう、迂闊に動けない』  三つの熱源反応。  俺達には援軍がいない。  ダミーなのはバレている。  だが。 『どれがダミーかは分かりません』  ダミーが分からない以上、動かせない。包囲陣は突破されれば脆い。  今、陣を動かせば総崩れするかもしれなするかも知れない。  その不安を植えさせるには十分な戦術だ。 「クレイ、すごい」 『やっと気づきましたか?』  モニターの中、柔らかに微笑んだ。 『正面一点突破。ここからはスピード勝負です。最短最速で脱出します』 「了解」 『ライト様』  あなたの命運をお預け下さい。 『あなたの剣が、立ちはだかる運命の障壁を薙ぎ払います』

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