43 / 50
第43話
両腕の鉄甲に赤い影が燃える。
引き金を引いた瞬間、衝撃が貫いた。
グオォオーン!
閃光が轟く。
『予備ブラスターを発射しました。熱源反応で敵を撹乱します』
「これなら敵は」
『そう、迂闊に動けない』
三つの熱源反応。
俺達には援軍がいない。
ダミーなのはバレている。
だが。
『どれがダミーかは分かりません』
ダミーが分からない以上、動かせない。包囲陣は突破されれば脆い。
今、陣を動かせば総崩れするかもしれなするかも知れない。
その不安を植えさせるには十分な戦術だ。
「クレイ、すごい」
『やっと気づきましたか?』
モニターの中、柔らかに微笑んだ。
『正面一点突破。ここからはスピード勝負です。最短最速で脱出します』
「了解」
『ライト様』
あなたの命運をお預け下さい。
『あなたの剣が、立ちはだかる運命の障壁を薙ぎ払います』
ともだちにシェアしよう!