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第86話
「繋。いってらっしゃい」
繋は無事大学に合格した。今日は出発の日だ。
「繋。体気をつけて」
「うん。しーくんもね」
「体調管理は任せといて!ね?繫くん」
繋の隣にはメグさんが寄り添ってた。
二人は一緒に行くことをきめた。
何がきっかけとかあんまりわからないけど二人して顔を見合わせて柔らかく微笑んでいる姿だけで十分だ。
メグさんの仕事はそっちに支店が元々あったからそこへ異動することを希望して今日を迎えたのだ
離婚も滞りなく成立しすでに新しい生活をあの人も始めている。
ともくんの家を引き払ってメグさんの住んでいた家に引っ越して今は一緒に住んでいる。
俺は正社員になってさっそく大きな仕事を任されることになった。
初恋は実らない。それは間違いないって思ってた。だけどこうして今初恋の彼と共に生きる道に辿り着いた。
俺は本当に最低で最悪なやつで…自分でも嫌になっちゃうけど全て知ったうえで側にいることを選んでくれた彼がいるから…
これまで俺がしてきたことはなかったことになんてできない。だからこそこれからは唯一の愛する人とともに手を取り歩いていこうと思う
「しーさん。愛してるよ」
「ともくん。俺も愛してる…」
見えなくなった二人の姿を見つめながら手を繋ぐ。
「じゃいこっか」
「うん!」
これから先は誰にもわからない。どんな人だって同じだと思う。
色々な形の恋があって…愛があって…人の幸せの裏には不幸せな人がいて…きっと生きとし生けるものすべての人が幸せだって思えることはないのかもしれないけれどこれからは自分を認め、信じ、寄り添い手を取り合える人と歩いていけたらと…
俺の初恋の行方は…
完
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