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第4話密会②

   もしかしたら、僕は何処かで何かを。 いや、最初から? 「え、っと……れい?」 「何ですか?蒼くん。」 間違えてしまったのだろうか。 ガラス張りの部屋からは、大都会の夜景が一望できる。 キングサイズの、寝心地が良いベッド。 こんな部屋に彼女と泊まったらさぞ ロマンティックな夜が過ごせるだろう。 ……恋人達が夜を過ごすには最高な環境。 それは認める。 認められないのは 「この体制は……なぁに?」 「え?」 部屋に入った瞬間、ベッドに押し倒された。 ……僕の状況だけだ。 一瞬きょとん、とした玲は 長めの前髪をかき上げると 「あぁ、気付かなくてごめんなさい。 電気……消します?」 「い、いやいや、そうじゃなくて。」 「……蒼くんの顔見えなくなるのは 嫌だな。」 「レイ……待って。話、聞いて?」 「ん?」 僕の両腕を、押さえつけたまま 整った顔をグッと近づけて来た。 か、カッコ良い……。 ってそうじゃなくて! 「何で、僕のこと押し倒してるの!?」 「もしかして、蒼くん初めて?」 「初めて……と言うのは。」 いや、この体制からすると。 「……セックス。」 「!?」 ですよね!? 玲の上品な薄ピンク色の唇に似合わない 卑猥な言葉に ビクンッと肩が震えた。 「や、ヤルの?僕ら。」 「うん、……やっとわかったから。」 「……何を?」 「なにって、決まってるでしょ。」 僕の前髪を、サラリと指先で撫でながら。 「……俺、蒼くんのことが好きだよ。 多分ずっと前から。」 こうしたかった。 宝石みたいな、玲の瞳の美しさに 言葉なく息を飲んだ瞬間。 「蒼くんも、俺のこと好きだよね?」 「ッ、」 待たせて、ごめんね? 「……待たせた分 たくさん、してあげる。」 「!?」 僕らの唇は、……隙間なく重なっていた。

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