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第24話
「気持ちよかったよ、澪。明日からもまた愛し合おうね。大好きだよ、澪」
そんな訳の分からない事を言いながら
また僕の口内を彗が蹂躙した。
チュッチュッ……クチュ………クチュ………
僕はもう抵抗する気力すらなかった。
僕はこれからどうなるんだろう………
明日に絶望を抱きながら、
僕は段々と意識を手放した。
夢の中では、お母さんに会えた。
いつもみたいに仕事終わりに美味しいご飯を作ってくれて、2人で囲む食卓はいつも簡素だけど温かった。それだけで良かったのに………
手を伸ばせば触れられると思った。
触れられる距離にいたから。
でも、もう………
「お母さん……」
そこで目を覚ました僕は、
手を伸ばした先に誰かの頬に触れていた。
お母さん……?
「おはよう、澪。」
そこに居たのは昨日僕を攫った張本人だった。
「そんなにお母さんが恋しいの?
寝言でお母さんの事呼んでたよ。
今は僕がそばにいるんだよ?ショックだなー」
ヒュッ………
驚きすぎて僕は喉の奥が引き摺った。
声にもならない声を、心の奥で叫んだ。
ああ、これが現実でなければ良かったのに…
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