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「気合い入ったイキっぷりだったな(笑)悪くなかったぜ、縦割れまんこ野郎(笑)」
着衣を整えた栄治郎。
そう言って、腰が抜けて立てなくなっているビー助のうえに口を縛った使用済みスキンをぽいと投げた。
順位争いに完敗し、ヤり捨てられたビー助はうつろな目でそれを見て「さっさと消えろ……」と苦し紛れのセリフを放つ。
「はは…まぁ、元気そうだな。ひとりで帰れるか?」
「うっせえわ…」
「んじゃ、退散しますよ」
栄治郎はヒラヒラと手を振り、ビー助に背を向けた。
「うう…けつが痛え……」
あの野郎、しっかりローションもスキンも持ち歩きやがって。
最後は労わるような声を掛けてくるし…
完全敗北だ。
「ちっくしょう………」
幾度もオーガズムに達して、頭はふわふわ、身体はぐったり疲れている。
アルコールも抜けてきて、すこしずつ冷静になってくるが…
終電は終わっている。
ズボンもパンツもビー助の出した精液や潮で汚れていて…
家まで、歩いて帰れない距離じゃない。
タクシーを呼ぶか…
そういやァ、スマホ壊れてるんだった…
あーー…なにもかもがめんどくせえ……
路地裏の砂利道に転がったまま、ビー助は空を仰いだ。
空は真っ暗だ。
向こうのネオン街から、賑やかな酔っ払いの声や、万年大特価セールをしているガラクタ屋の電子音が聴こえてくる。
とりあえず…ちょっと休もう……
濡れたボトムスを着ずにちんちんを丸出しにしたまま疲れ切って目をつぶってしまったビー助は、翌朝、お巡りさんの職質で起こされるのであった…
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