「は？」 「は？じゃなくて。メル友に会いたいって言われたの」 「由貴はどうしたいの？」 「それは……」 この間颯太に言われたことを話した。 颯太は俺に会いたいって言った。 でも俺は、正直よくわからない。 メールと実際に会ったのじゃ違う場合があるってよく純が言ってたし。 「わからない」 「じゃあ、会ってみろよ」 「純……」 「会ってダメならダメでいいじゃん!」 流石、純。 純の今の彼女はネットで知り合ったらしいからな。 違う。 今の彼女もだったな。 「考えてみるよ」 俺はそう答えた。 颯太は悪い奴じゃない。 でもどんな奴かわからない。 もしかしたら。 大学生じゃなくて、40すぎのおっさんかもしれないし。 ハゲてたり腹が出てる人かもしれない。 考えても仕方ない。 そうだな。 純の言うとおりあってみなきゃわからないしな。 会ってみよう。 会ってみなきゃどんな奴かわからないし。 その日の夜、俺は颯太にメールした。 『颯太。俺も颯太に会ってみたい』と。 即返事がきた。 待ち合わせどうする？ とか どこで遊ぶ？ とか ご飯俺のおすすめでいい？ とかな。 なんかテンション高い。 まるで好きな子とのデートを楽しむかのようだった。 変な奴。