「イケないね。ここをこんなに硬くして」 　体の中にあるコリコリとしたものを指先で押し上げられる。 「あっ、やっ、あぁっ……」 「さっき軽く達したのに、まだまだ足りないのかな」 　尿道に挿入された棒と、男の指の両方で、体の中のやけに敏感な部分を刺激される。何度も視界が暗転し、呼吸すらままならない。 「ひぁっぐ、ぁあっ！！」 「気持ちいいんだろう？今度は素直に言えるかな？」 「あ゛ぁっ！やぁアッ……」 「気持ちよすぎて何も言えないか。いいよ、イツキ、今日だけは……」 「っあ゛ぁあっ！！」 　中の指とチンコの棒がその間にある俺の体の一部を同時に圧迫する。その刺激で俺の腰は大きく仰け反ろうとするが、足首が固定されているため僅かに動くことしかできなかった。 「何度でもイキなさい、イツキ。勝手に出さなければ許してあげる……。この状態だと出したくても出せないから安心していいよ」 「ひぐっ、がっ、あっ、や゛め゛ッ……！！」 　腹の奥が痙攣するようにビクビクと動く。涙か汗か唾液かわからないものが顔を濡らすが、それを拭うことも許されない。 　イッてるのか？それすらもわからないし、もう快楽だとは思えない。吐き気のようなものが込み上げてきて喉が痛い。やめてほしいと思うのに言葉が出ない。 「あぁっ、あ、や、はっ、……」 　段々と下半身の感覚がなくなってくるような気がしていた。絶え間なく押し寄せる強すぎる刺激に意識を蹂躙され、もう何も考えられない。 　このまま自分が自分でなくなるのなら、その方が楽な気がする。今までの人生も、尊厳も全て手放してしまいたい―― 　そう思ったのに、ふいに男がその指を引き抜いた。 「あっ、あぁんっ……ぁ、ん」 　尿道からの圧迫感は残るが、空になった肛門が何も入っていないことを確かめるようにヒクヒクと開閉する。 「イツキ、君は本当に……。僕としたことが、本当の目的を忘れて夢中になってしまうところだった。今日は大切な夜なのにね」 「……っあ」 　ふっと肛門に息を吹きかけられ、体が小さく跳ねる。 「あぁ、イツキ。僕の愛しいプリンセス。ついにこの瞬間が来たよ。ようやく僕達は一つになれるんだ。その体と心で、僕の全てを受け止めてくれるかな？」 　息は上がったまま、体は火照ったままなのに、全身に冷や水を浴びたような寒気に襲われる。