44 / 1150

27歳未羽 再発

佐久間と未羽が話している頃、 紫藤は処置2のデスクに座り重たく暗い表情で両手を顔の前に出し、鼻の上で両手を合わせながらパソコンの画面を眺め、ため息をついた 「はぁ…どうするべきか」 背もたれに身体を預けしばらく考え、電話を手に取り医局にいる佐渡へと繋いだ 「局長。先日採った未羽の血液データを開いてください。どうするべきでしょうか?」 〝これは…まずいな。本人は?〝 「まだ伝えていません」 〝早急に対処すべきだろうな。そろそろ医局に戻ってくるだろうから医局へ来い〝 「分かりました」 ・ ・ 紫藤は医局へ向かい佐久間はいるものの未羽の姿が見えず探した 「未羽はどこにいきました?ちょっと大事な話があったんですが…」 「どうしたんです?先輩」 「いないならまあいいです。佐久間、ちょっとこれを見てもらえますか?」 紫藤はパソコンを操作し、検査データを表示した。 「由々しき事態発生ですよ」 紫藤はパソコンを見てずり下がる眼鏡を中指でなおした 「これってまずくね?ヤバいっしょ」 「ええ先日行った結果が出たんですが…まずい結果です。本人に自覚があるといいんですが…」 「えと…これって治療開始レベルですよね?」 「ですね。うまく説得できますか?」 「う〜…厳しい。外来治療でいけます?」 「わかりません。そもそも27の子が当科に入院したケースがないので…」 「なるほどな…。いいんじゃないか?さくっと治療はじめて短期集中で治させれば」 「じゃあ再入院ということで」 「了解」 「みぃ納得しますか?」 「このままだと肉体の疲労もあいまって倒れるから納得してもらう」 ガチャっ 何も知らない未羽が医局へと入ると 神妙な面持ちのみんながいて未羽は不審に思いしどろもどろになり 「な、何?なんかありました?」 「お前のことだよ」 「えっぼく?なんかしでかしました!?」 「違う違う。お前はよくやってるよ。ただ、最近疲れないか?」 「ん〜…まあまだ慣れないんで」 「寝れてる?」 「ちょっと浅いですけど…なんとか」 「食べては…」 「ちょっと食欲無くて」 「オナニーしてるか?もしくはエッチしたのはいつだ?」 「なっっ。佐渡先生セクハラ」 「答えていただけますか?未羽」 「紫藤先生……してない。する気にならないし」 「OK。未羽いまから紫藤と処置2にいけ。嫌がるようなら佐久間と俺、ついでに相馬も総出でついていくがどうする?」 「どういう?」 「注射をします。行きますよ」 「誰に?」 「お前に」 「は?ちょ、なんの冗談?」 「ホルモン値が下限を切ってます。早いうちに見つけれてよかった。今なら少しの頑張りですぐ持ち直すはずです。善は急げと言いますので向かいますよ」 「やだ……かも」 「先に向かいます。みんなで連れていらしてください。押さえつけてでも今からやりますから」 「や…やややや!?内服とか外用もあるじゃん」 「今回やってそれで見込みがあればそうしましょう。では」 紫藤は立ちあがり医局から消えた

ともだちにシェアしよう!