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こころ、ゆきに同伴

「後5分…。やれやれ。迎えにいきますか…手がかかる」 紫藤は治療の準備を終え、ゆきを迎えに行こうと扉を開け3号室方面へと向かった。 しかし、処置2を出てすぐのところでこちらへ手を繋ぎながら向かってくるゆきとこころを見て紫藤は歩を止め 2人の間の甘酸っぱい雰囲気に紫藤は微笑む 「なるほど…」 こころは紫藤の姿を見て、お辞儀をした 「えと…じゃ頑張れ。部屋で待ってる」 「う…うん」 ゆきは返事をするものの立ちつくしていた 「一緒に来なさいこころ」 紫藤は回れ右をし、処置2へと帰った 「一緒に…?いいのかな…。ゆき。行こ」 こころははじめて入る処置2へとゆきを連れて入っていった 「お邪魔します…」 他とは違う独特な雰囲気の部屋にこころは思わず唾を飲み込んだ 「う…。たしかに…怖いね、ゆき」 「分かってくれる?」 うんとこころは頷いた 「こころ。いったんゆきから手を離してもらえますか?」 「あ、はい。ごめんなさい」 「では、ゆきはベッドに。ズボンを下げて」 「う…怖い。先生…怒ってるじゃん」 「怒っていません」 「その…眼鏡ごめんなさい」 「こんなものは問題ありません。それより怒るとしたら治す気の無いあなたの協力のしなささに腹が立ちます。今日はお友達が来てくれたので頑張れますね?」 「うん…」 ゆきは意を決してズボンをずらし、ベッドに横たわった 「こころ、せっかく来たのならゆきの手を繋いであげてくれますか?」 「はいっ」 いつになくハッキリした口調でこころは返事をしゆきの手を繋いだ 「じゃ始めていきます」 紫藤は酒精綿の包みを剥きゆきの片側の尻を消毒し、消毒されたゆきはその冷たさに驚きピクついた 「動かない」 紫藤は注射器を手に取り中の空気を弾きペンを持つようにしてゆきの尻に突き差した 「ぁうっ」 「ゆ…ゆき?」 「大丈夫…」 「入ります」 「ぅ〜…痛ぁっ…ぁー…痛いよ〜」 「頑張れ」 こころはぎゅっとゆきの手を握り励ました 「う…ぅ、こころ…」 ゆきはすがるようにこころの名を呼び、涙で頬を濡らした こころは泣くゆきを見て不思議な感覚にさいなまれた 体の中心からせりあがる愛しさのようなものをゆきに感じ、戸惑うが股間が熱くなる 「…ぁ、ごめ…」 紫藤は視界の端に股間を膨らませているこころを見つけ 「やはり……そうですか」つぶやいた 注射器を抜きトレーに置くとゆきの尻に絆創膏を貼り、尻を揉みながらこころに紫藤は問う 「こころ、ゆきが欲しいですか?」 「ち…違う」 「注射で泣くゆきを見て股間を膨らませているのに?」 「分かんない…でも、ゆきに触れるとゆきといると幸せな気持ちになる」 「好きになったんですね」 紫藤は2人の頭に優しく手を置いた 「それでいい」 「でも、俺…結婚しなきゃなんない」 「今は気にしなくていい。相手の女性には失礼かもしれませんが…私にはあなたたちのが大事です」

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