34 / 1212

急患・れい2

3人は処置1へと入室し、 佐渡はブースカーテンを開け、診察台に電源を入れると千歌に声をかけた 「モニター用意してくれるか?」 「はい。静脈ルート取ります?」 「だな。静脈は俺が取ろう」 「お願いします。じゃあれい?こっちに座るよ。ちょっと辛いだろうけど頑張って移って」 「う…うん?これに座ってどんすんの?」 「えーと…れいくん?なるべく動かないでくれるかな?胸にセンサーつけるよ」 「何これ…こんなんより早くこけし取ってよ。痛いんだよ?おしり」 「静脈とるぞ?れい、点滴通すから左手出せ」 「え?なんで点滴?」 「なんかあった時にすぐ対処できるように」 「れいくん、右手の指に酸素モニター付けて足に血圧計巻くよ」 「こんなん鬱陶しいって!大袈裟だよ」 「無理矢理こけしをナカからとるから急変に備えてだ!黙ってろ」 佐渡はピシャリと言い放ち、れいの手に点滴針を刺した 「いっつ〜…」 「こんなのは痛いうちに入らん。千歌?れいの足押さえれるか?クスコで拡げて取る」 「2人で?暴れそうですよ…その子。鎮静かけないんです?」 「自分の力で腹圧もかけてもらわないと出てこないと思う」 「んー…頑張ります」 「んじゃ、始める」 佐渡は診察台を操作し、カーテンを下ろした 「わっなんだよ!これー」 機械のアナウンスとともに後ろに倒れ、次第に開いていく両足と消える座面に驚き、モニターがアラームを鳴らした 「大丈夫だから。まだ何もしてないよ?」 「看護師さんっこの椅子何?怖いんだけど!」 「内診台みたいなもの…かな?お股の処置がしやすい機械椅子だよ。手はレバー持って楽にして?」 れいがレバーを掴むと佐渡は人差し指にローションを取り、れいのアナに指をそわせ 「れい、指挿れるぞ」 ぬめっとした液体とともに肛門に指を挿れられ、れいは痛みに体を上にずらした 「あうっ」 「逃げない。下に来い」 佐渡は足を掴み下にずり戻した 「孔…硬いな」 「大丈夫そうです?」 「いや…泣かせる」 「分かりました」 「れいくん、いーい?深呼吸。吸って吐いてー。はー」 「う…うん?はー」 呼吸に合わせ、佐渡はクスコの先端を差し込んだ 「ひぁっ!な、何?」 「千歌、行くぞ。しっかり押さえてろ」 「はい。れいくん、はーってさきよりなるべく長く吐くよ」 「分かった。はーー」 カチカチ… 「ひぃっっ痛いっ痛っいたーーーい!!」 痛みと恐怖にポロポロとれいは涙をこぼした 「おしり痛いー。先生っやめてっやだぁ」 跳ね上がる心臓の拍動数と乱れる心電図に佐渡はチラッとモニターを見るが、クスコから内筒を引き抜き処置を続けた。 「れい。腹押すぞ。千歌、足拡げんの手伝ってやれ」 「はい。れいくんがんばれー、足ひろげるよ」 「い…いたぁ…いっっ」 「腹に力入れろ」 「無理ぃーっ。抜いてよーっ」 「こけしが出たらな。ほら、ひっひっふー」 「なんでラマーズ?」 「千歌突っ込みはいいから。ほらがんばれ、見えてきた」 「頑張れ、れいくん!」 「んっんん」 千歌も一緒になり励ました 「後少しだ…」 「んぁああっっ」 コロン、、 音を立て、血にまみれたこけしが出てきた 「はぁ…はぁ…出た?出たのに…なんでしりのまだ入ってる?」 「ナカが切れてるな。薬塗るぞ」 「え?やだっ。いっっ!」 佐渡はクスコを引き抜き、診察台の操作をし、カーテンを開けた。 体が降り地に足が着くと安心してれいは涙を浮かべたまま照れながら笑い、佐渡を見上げた。 「ありがと」 「どういたしまして」 にぃっと佐渡と千歌は顔を見合わせて笑みを浮かべ、佐渡はれいの頭に手を置き労った

ともだちにシェアしよう!