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憂鬱な未羽

一方、未羽は紫藤から解放されて嬉しいはずなのに気分が晴れず食堂に行ってもぼーっとしているばかりで昼ご飯はあまり食べれなかった。 きっと怒られるよな… そう思いながらも食が進まない マジにヤバいのかもしれない。 鬱々とした気分のまま病室へと帰りベッドに座るとポカポカ陽気に包まれてだんだんと眠気に襲われ未羽はただ何もせず窓の外を眺めて過ごした。 こんなにのんびりしたの久々かも トントン 扉の叩く音が聞こえ、視線を音の方に向けると 「佐久間先生?」 「よっ。昼飯全然食ってなかったみたいじゃん?また低血糖になるぞ?」 「大丈夫。意識はしっかりしてる」 「どうした?元気ないようにみえる。夕べ寝れた?」 佐久間はベッド横に置いてある椅子に座り、ベッドに座る未羽の顔をのぞきこんだ。 「うん。一応寝ました。元気は…あるわけないです…なんて言うかかなりブルーです」 「ん〜…紫藤先輩、気持ちよくしてくんなかった?」 「え…っ…そ…それはぁ。気持ちくしてくれたとしても関係ないかも。だってしたくないんだもん…あんなんされたらいくら気持ちくても沈むし」 「気持ちは…まあわかる。わかるよ」 「なんで分かるんです?佐久間先生には分かんないよ。エッチなことされる気持ちなんかさ」 「ん〜…なんとも言えん。未羽、明日なんだけどどうしたい?」 「え?」 「今回の入院は俺は主治医じゃないけど、紫藤先輩が休みの日のサポートはするから」 「どうしたい…て。何もしたくない」 「そういうなって。その思考まずいぞ?」 「や…そんなんじゃないし、ただなんかやる気ないだけ」 「じゃあさ、朝一緒に散歩するか?」 「散歩?」 「そ」 「エッチなことしない?」 「したくないならしない。ちなみに明後日はどうする?帰りたいなら帰っていいって佐渡先生は言ってたけど」 「分かんない…でも帰ったらたぶん戻れない。仕事はしたいけど」 「それはまたご相談だな。入院しながら働くのはたぶん厳しいぞ。見学くらいならできるだろうけど」 「通院になんないかな」 「落ち着いたらなんとでもなる。これを機に患者さんたちと仲良くなってみれば?」 「どうやって?」 「少なくとも飯と風呂は一緒だろ?今より関わる時間が長い」 「そっか。いい考えかも」 未羽は佐久間が部屋に来てからはじめての笑顔をみせた

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