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看護師涼木
涼木は看護師成り立ての頃から夜勤が嫌いだった。
看護師1年生の時は総合内科に配属されて症例は多岐すぎるし、右も左も分からないのに急変急変急変の嵐
しかも怖い先輩付きっていうおまけつき。
おかげでスキルはついたけど女の職場の怖いこと!
何度辞めようと思ったことかっ
そして肉体労働とか力仕事、高いところの物を取れだとかまるで奴隷
仕事間違えたな〜って思う日も多々。
そんな涼木に5年目になって転機が訪れた
「未分化少年特殊治療棟に転属?俺が?」
「そう。創設から8年の部署だけどあなたならやれると思う。難しい年代の子たちのお世話は大変だろうけど頑張って。来月のシフトから移動ね?」
突然の看護部長からの辞令に驚いたけど内心ガッツポーズだった。
どんな部署かはよく分からないけど、精神科以上に男性看護師の活躍する病棟らしい。
ただ、経験10年にもなればオンコール夜勤になるとかが後に判明してげんなり。
そしていよいよ移動日。
「総合内科から転属しました看護師の涼木大雅 です。お願いします」
「タイガー?また強そうな名前だな。ガォーって?」
「佐渡先生、それ違うと思う」
抑揚のない喋り方で話すのは佐久間先生。
確か2コ下だったかな?
「なかなか特殊な科ではあるけどよろしく頼むよ。一応局長やらせてもらってる瀬谷だ」
「あ、はい。こちらこそ」
「あと1人、紫藤というのがいるが…気難しくてね。とっつきにくい性格ではあるが患者さん思いのいい先生だから何か言われても傷つかないようにね」
え?なんか怖くない?
なんて言うか…あくのつよそうな人たちな気がする。
初日からめげそうだ
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