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大人に憧れる由宇
「ゆ…ぅく…、な…っは…ぁ、したことないんよね?なんで…っ」
「へぇ。すごいや」
由宇は新しいおもちゃを見つけたかのようにニヤっと笑い
「さあ?俺、わりと器用だから」
「器用すぎや…」
周防はバイブを抜き、スイッチを切りティッシュで自分とバイブを拭き
「はぁ…やばいわ…余韻がすげ」
「周防さん」
「何?」
「もっと教えて?」
「な…何言うて」
「知りたい。大人になりたいんだよ、俺」
「憧れてるわけか?」
「うん」
「大人になるのは結構痛かったり苦しいもんなんやで?」
「あの痛いやつを乗り越えたら気持ちよくなれる?」
「ん?なんやおしりで気持ちよくなりたいんか?」
「だってどうせやられんなら気持ちいいほうがいい。痛いのはやだ」
「んー…カルテじゃよぉ分からんけど、ちょっと炎症があって痛みがあるんやろ?試しに由宇くんナカ、触ってもええ?」
由宇は下半身裸になり、先ほどの周防と同じような姿勢をとり
「う…うん。痛くしないでよ?」
「分かった。体の力を抜いて楽にしとり?」
周防はローションをつけた人差し指を由宇に挿れた。
「っーんぅ」
「1本挿れるくらいなら違和感あるくらいやろ?」
「うん」
「んで、ここ…あー…たしかに腫れてる感があるな。いま痛い?」
「大丈夫」
「ちょっと痛いかもしれんで?」
「はぅうんっっ」
「やっぱり痛いか?」
由宇はコクコクと頷いた。
「もうちょい優しく触るで?」
「ん、…んぁ」
「痛い?」
「大丈夫」
「感じる?」
「分かんな…い…。でも、それくらいなら痛くないかな?ふわふわ?なんかそんな感じ」
「感じとるっぽいな」
「もうちょい触ろか?」
「あんっ」
「うん、ええ声出るやん」
「検査は痛いのに…」
「気持ちよくすんのが目的やなくて、マッサージして循環さすのが目的やから痛いやろな」
「検査もこうならいいのに」
「言うてみ?」
「え?」
「気持ちよーして?って」
「無理だよっ」
「先生かて、鬼やないからしてくれると思うんやけどな。治ったらもっと気持ちよーなれるで?」
「本当に?」
「本当本当」
周防は由宇から指を抜き、由宇のアナと自分の指を拭き衣服を整え、ステーションから薬を取ってきて由宇に差し出した
「由宇くん、そろそろ寝なあかん。お薬飲んでもう寝えーや?いい?」
「分かった」
由宇も衣服を整え受け止った薬を飲み、周防に送られて部屋へと帰った。
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