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臣 イレウスチューブ

真白の部屋からそのまま臣の部屋へと来ると祖父江は入り口の壁をトントンと叩いた 「臣、なかなか来れなくて悪かったな?」 「…先生」 「どうした?」 「まだ体調よくなか。いつになったらよくな るとね」 「あとちょっと。頑張ろうな?」 「もう頑張っとったい」 ご機嫌斜めを全面に出しながら臣は怒り 「そうだよな。怒れちゃうな?なぁ、おみ、今から透視室行くからもう少し楽にしてあげられないか考えてみるよ。と、いうわけで…」 祖父江は電話を取り出し 「透視室、臣を連れてきて?たぶん下っかわが通りが悪いんだと思う。そのままイレウスチューブ入れるから。それ終わったら膀胱カテーテルも入れて尿量報告して。頼んだ」 電話を切ると祖父江は臣の頭を撫で 「心配しなくていい。ウトウトする薬を使うから見た目は怖いかも知れないがすぐ終わる。向こうで待ってるからな?」 「先生、一緒には行かんとね?」 「支度があるからな。看護師を呼んである」 「宵ちゃんがいい」 「どうかな?じゃあ先に行くな?」

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