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臣 イレウスチューブ2
「遅いな…何してる?」
祖父江はマスクをつけ、X線防護服を身につけて透視室の出入り口に背をつけ廊下を見張っていた。
廊下の端の方から周防に連れられ、嬉しくないオーラ満載の臣を見つけ祖父江は思わず笑った
「はは。なんだありゃ。なんちゅう嬉しくなさそうな顔」
臣の方も祖父江を見つけ、臣は祖父江に片手を伸ばした
「せんせー」
「あ…ちょ。待ちぃ!」
周防は慌てて落とさないように力を出し
「危ないわ!落とすつもりなくても落ちるって!」
「くははっ。周防、ご苦労」
祖父江は腹を抱えて笑い両手を差し伸ばし
「それ、もらう。周防も防護服着てきて」
「分かりました。ほんならお願いします」
「よし、おいで」
空中で臣の受け渡しを行い、周防は祖父江に臣を託すと準備室へと向かい、臣と祖父江は透視室の中へと入った。
祖父江は検査台の前につくと
「さぁて、臣。下ろすぞ」
臣にをかけたが、臣はしがみついて抵抗した
「や。下ろさんでほしか」
「終わったら甘えさせてやるから、今は許せ」
「臣くん、先生の言うこと聞いたってや?」
着替え終わった周防がすかさず説得すると、臣は考えるそぶりを見せ
「じゃ約束してほしか」
「分かった。何したい?シャボン玉でもするか?」
「先生、もう19やもんさすがにシャボン玉はやらんとよ」
「昔はあんなに喜んだのに」
祖父江は残念そうに呟きながらそっと臣を台に乗せ、周防は臣にバスタオルをかけた。
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