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経鼻栄養
「おはようございます」
「おはようさんです。お願いしますー」
周防と牟呂は2人仲良く出勤し、朝のあいさつをした
「おはよう。今日は師長さん公休日なのでぼくが代理です。じゃあ申し送りはじめていきます」
申し送りが始まると内容にみんな息を飲んだ
「由宇くん、眠らせて安静療法やなんて…」
「奈南先輩それって経鼻栄養で対応ですかね?」
「カルテによるとその予定だね」
「瀬谷先生来られてから?」
「いや。俺が」
「祖父江先生!」
「せやけど、もう明けと違います?」
「やり放しにはできん。送りが終わったら始めるから周防、準備を頼む」
「分かりました」
「…と言うことで事故のないようにやっていきましょう。お願いします」
「お願いしますー」
送りが終わると周防は準備を始めた
「なんやろな…切ないわ。一生懸命食わした夜もあんのに結局、マーゲンとか」
「ずっとじゃない。肺炎が落ち着いたらすぐ抜く。一時的なものだ」
「分かっとっても辛いわ」
「由宇がかわいいなら辛くても我慢して介助しろ」
「意味分からん…」
「末梢からの点滴で栄養を送るのにも限度がある。食事の機能の異常じゃないから中心静脈栄養よりもマーゲンのがいいんだ。それに今ある能力を奪うのは間違いだと思うしな」
「くそ…」
「周防、時には鬼になるのも必要だぞ」
そう言う祖父江の顔も切なく辛さに満ち溢れていて、周防はそれ以上文句を言わず介助を始めた。
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薬により深く眠る由宇は時折顔を歪めるもののされていることに気づくはずもなく、胃管を挿入されていた。
「よし。聴診器を。チューブに注射器つけて空気を送って」
「はい」
「OK。そしたら今度は注射器を引いて」
「胃内容物、吸引できました」
「ちゃんと入ったな。瀬谷が来たら再確認依頼して」
「了解しました」
祖父江はふっと表情を崩し、由宇の頭を撫で
「由宇よく頑張った…」
「意識ないのに…」
「頑張ったことに変わりはない。またな、周防。おまえもよく耐えた。おつかれ」
「あ…え、はい…おつかれした」
周防は顔を赤くし、祖父江の背中を見送った
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