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研修医 佐渡

「おはよう」 「先生、おはようございます。由宇くんのこと聞かれましたか?」 「うん。仕方ないことではあるが…辛いね。よく観察してあげて」 「分かりました。あの…先生、後ろの子って」 「佐渡先生だ。今日から10月7日までうちで研修することになった」 「え?うちに?」 「泌尿器科志望でね、由宇の前回入院時の抜糸につかせてるから由宇を症例対象にと思ったが…今朝由宇のことを聞いてびっくりだ」 「佐渡琢磨です。よろしくお願いします」 「あ、こちらこそ。今日は師長さんの代理業務しています奈南です。周防ー」 奈南は点滴の交換準備をしている周防を呼び、周防は呼ばれた声に反応して手を止め一行のもとに駆けつけた 「はい」 「佐渡先生、彼が受け持ち看護師の周防です。周防、今日から研修で来られた佐渡先生」 「え…嘘やろ?新設の科やのに研修来るんかいな」 「周防っ失礼。す、すみません…教育が行き届かず…」 「いえ。気にしないでください。あの、それより…由宇くんに会いたいんですが」 「あ、そやな。えとこっちです」 リカバリールームを開けると由宇の頭元に椅子を置き、椅子に座って由宇の顔に擦り寄りながらすすりなく臣がいた 「臣くん…なんでベッドからひとりで降りとるん?危ないやろ?」 「だって、由宇が…俺が寝てる間に鼻チューブされとるばい。痛か処置やのに…由宇、痛いの泣いちゃうけん可哀想」 「大丈夫。お薬で眠っとるからあんま辛ないはずやで?由宇くん、あんな紹介するで?研修医の佐渡先生。イケメンやで。ほら、先生話しかけたって」 「え?…眠っていてるのに?」 「俺も、さっきまではそう思ってたんやけど聞こえとるから。な?由宇くん」 「分かりました。えと、実は前に抜糸で会っているんだが…あらためてはじめまして。研修させていただく佐渡です。よろしく」 佐渡は挨拶をし、由宇の手を握った

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