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臣、瀬谷の恥ずかしい診察
翌日の朝、病棟ではー
「臣、おはよう」
「どうしたと?先生が俺の部屋に来るなんて珍しかね」
読んでいた本をオーバーテーブルに置き、臣は視線を瀬谷に移し
「今日は祖父江が公休でね、俺が診察するんだが…一緒に処置室へ行けるかい?」
「今?診察しないとダメ?俺、先生きらいって言うたと思うばい」
「なかなか頑なだね?どうしても嫌?」
「嫌やけん、帰ってほしか」
「困ったな、、」
瀬谷はしばらく考え、深く溜め息をつき
「ふぅ。いったん引くことにするよ」
瀬谷は臣の部屋を出てステーションに立ち寄ると、そこにいた周防と牟呂にヘルプを頼んだ
「すまないが臣を処置1に連れてきてもらえるかい?」
「拒否な感じなん?」
「すっかり嫌われてしまってね」
「じゃあ行こうか?雅宗。先生、処置4じゃなく1?1で合ってます?」
「合ってる」
「なぁ、歩いて…は厳しい?どう思う?」
「最悪、抱っこするから点滴スタンド頼むわ」
「はいね」
仲の良さげな2人の雰囲気に瀬谷は
「仲良しだな?先輩後輩コンビは。見てて微笑ましいよ。じゃあ後を頼んだよ」
瀬谷はステーションから姿を消した。
瀬谷が消えてから両名は臣の部屋へと向かった
「怒りそうやなぁ」
「さすがに部屋入ったら大人しくなるよ。はじめてだろうし」
「なんで?」
「あれがあるじゃん。ビビるって。俺なら乗りたくない」
「あれってなんやろ?内診台の機械のこと?」
「そう、それ。処置1って言ったらあれでしょ」
「そうか、あれに乗せるん?かわいそうに…」
「だね。臣くーん、おはよう」
「おはようさん」
「しーちゃんに、むーちゃん。おはよう」
ニコニコと臣は笑いながら返事をしたが、続く展開に頬を膨らませた
「いややけん!」
「ごめんね、どうしてもしないとだから。不本意だけど、抱っこするよー。あと、検査着にもう変えちゃうね」
2人がかりで身包み全部剥がされて着替えをさせられ、牟呂に抱っこされると観念して大人しく牟呂につかまり、3人は歩き出した
「しーちゃんもむーちゃんもやられたらよか。患者の気持ちば、知らんちゃろ。パンツ返して」
「たしかになぁ。でも何をされるか分からない恐怖なら俺らも分かるよ。ね?雅宗」
「せやな。パンツ無いスースー感はちょっと分からんけどな」
しばらくして処置1前に来ると、臣が震えだした
「怖いね、臣くん」
「むーちゃん助けて」
「堪忍。終わったらよしよししたるから頑張ろな?」
周防はカードキーで扉を開け、中に入り電子錠がロックされると臣に勘付かれる前にまだ普通の椅子の形をした検査台に座らせた
「手と足、ベルトいるやろか?先生、どうしたらええ?」
「病棟忙しいかい?2人ここにいるとまずい?」
「大丈夫ですよ」
「ならいい。両サイドについててやってくれるかい?」
「了解」
2人は両サイドにつき、検査が始まるのを待った
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