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バトンタッチ

「ん……っぁ…何?なんか入ってくる」 「エネマグラ。前立腺を刺激する医療器具だ。痛いか?」 「痛くないけど…変な感じ」 「しばらく、ゆっくり呼吸を繰り返してなさい」 「由宇くん、ちょっとお水飲んどこか?」 「うん」 周防に介助され水を飲むと、見たくない道具の支度をしている瀬谷が見えた 金属のあの細い棒… 「瀬谷先生…俺、それしたくない……」 「大丈夫。カテが入っていたんだからそんなに辛くないさ」 「本当にいまやるのか?瀬谷」 「ああ。思ったよりスムーズに進んでいるからね、次のカテ交換の時にと思っていたが今日やってしまう。祖父江、あやすの頼むよ」 「いまあいつにとって嫌なことばかりしたから素直に甘えてくるか…あやしきらなくても文句言うなよ?」 「大丈夫」 「や…やだよ…おしりになんか入ってんのに、ちんちんにまで挿れるとか…」 「両側から刺激を与えることに意味があるんだよ。怖ければ祖父江にしがみついていればいい」 「由宇、おいで。来なさい。バトンタッチだ。次は俺が抱っこしてやる」 「う…うん」 祖父江がベッドに座り手招いた 由宇はおそるおそるおしりにしっぽを生やしたまま祖父江に這い寄り、おずおずと抱きついた 悔しいけど…こうしていると落ち着く 口は悪いけど、注射うまいし… 広い胸板はすがるにはちょうどいい でも、臣みたいには素直に甘えれない… 複雑な気分 「由宇、ちんちんに機械を挿れるんだから瀬谷に足を広げて、俺にはもたれる感じで。処置の椅子に座ったろ?そん時のイメージだ」 「こう?」 「そう、上手だ」 由宇はドキドキと瀬谷の動きを待った。

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