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眠れない2人
千歌はうとうとしながらもおしりの違和感で眠れなかった。
未羽もまた、明日の治療が不安で心配で眠れなかった
「ちか…寝ちゃった?」
「ううん…まだ。みぃも寝れないの?」
「うん…怖いんだもん」
「オレはおしりが開きっぱにされてて変な感じがして寝つけない…」
「早く抜きにきてくれるといいね」
「うん…っは…ぁ……なんか痛い…」
「どうしたの?」
「分かんない…お腹…痛い…」
千歌は丸まって痛みに耐えるが、だんだんと脂汗が浮かんできて
「み…ぃ…ナースコール…」
「わ…分かった」
呼ぶと奈南はすぐに来た
「どうしたの?」
「ちかが…っお腹痛いって」
「千歌見せて。お膝曲げて…お腹押すよ」
「痛いぃ…」
「右と左どっち?」
「真ん中…おへそのトコが痛い」
「お腹の音聞こうか」
奈南はポケットから聴診器を取り出し音を聞いた
「音…弱めだなぁ…。1時間早いけどプラグ抜こうか?また1時間後に様子を見にくるけどそれまでに何かあったらまた呼んで?」
「うん…」
「力抜いて…プラグ回すよ」
「…っぅ…っぁ…気持ち悪いよぉ」
奈南はプラグを抜くと胃の裏側部分にあたる背中を撫で
「辛いね」
虫垂炎か?まだ初期すぎて確証が無いけど…とりあえず金属音はしないし、弱いけど音は聴こえるから腸閉塞の可能性は低いか…
さっき、プラグ挿れる前にナカを触ったけど指で届く範囲には便は触れなかったから便秘の線も薄いだろうし…
とにかく今は様子を見るしか…
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