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だだっ子宵さん

部屋の中へと入ると、うなりながら眠る宵がいて、東間は心配そうに宵の額を触った 「熱…っ」 「やっぱり熱があるか?」 「測ってみますね。すみません触りますよ。体温計挟みますね」 東間は宵の脇に体温計を挟むと上がっていく数字に表情を歪めた 「7度からスタートって…いったい何度になるの?」 「さてと…どうするかな、、」 「?」 「起こしてやるか、寝ている隙にやるか…安全なのは後者だが…間違いなくその後がだだっ子になって面倒なことになる」 「じゃあ起こします?」 「それはそれで難しい。不機嫌なのは目に見えているから、足が飛んでくるぞ」 「う…。あの、それって2人で検査するのって無謀では?」 「やっぱりそう思うか」 「はい。日勤者が来るの待つか、涼木を呼ぶか…どうします?」 「奈南がいればなぁ…。公休日だから困った」 「奈南先輩?」 「信頼関係が出来上がってるから宵が素直になりやすい」 「よく、師長のことをそんなにご存知で」 「あ、いや…」 「もしかして、人に言えない関係…ってことは?」 「う…」 「謎ですね、実はプレイボーイですか?」 「ま、また機会があれば話す」 実継は携帯を取り、雫に電話をかけた 「おはよう。出勤早々悪いが宵の部屋にいいか?発症の可能性が高くてな。検査をしたいが東間と2人では厳しい」 〝分かりました。すぐ向かいますね〝 電話を切ると、実継は靴を脱ぎベッドに登った

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