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だだっ子宵さん 3
「これ、宵さん寝てますよね?寝てるとこを検査するんですよね?怒りません?」
「だな。覚醒しているとそれ以上にややこしいことになるからな。東間、頼む」
「分かりました…けど、なんか可哀想な気がして気が引けますね」
「気にしなくていい。すぐ済ませよう」
「じゃあいきますね」
東間が宵の鼻に綿棒を挿入すると宵はぎゅっと眉を寄せ、目を開けた。
「…っ!?」
宵は痛みに驚いて身を揺らすが実継に固定されて動けれず、怒った
「やーーっ離して!離してくださーいっ」
「よーい、け、ん、さ!検査しているから興奮するな」
「するっ!雫、じゃまぁーっ」
ジタバタと足を揺らす宵にびっくりして雫が押さえを緩めるとすかさず布団ごと雫を蹴りとばし
「うわっ」
尻もちをついた雫は何が起きたか分からずにキョトンと宵を見上げた
その様子に実継が叫び
「雫っ押さえろ!今度は東間に攻撃する!」
「わ、分かった!宵さんごめん。足に乗るよ」
雫は宵の足に乗り、東間が検査できるように身をそらし
「師長…っ、でなく…よーちゃんでしたね?落ち着いて。痛いのは一瞬だよ。頑張れ」
「んーーーっっえほ…こほっ」
「はい、反対」
「やぁらぁーっやめっっ!んぅーーっいたぁいっ」
「ok」
東間は綿棒を宵の鼻から出し、宵の頭をそっとポンポンと撫で
「よーちゃん?痛かった?」
「うん…あずまぁ」
「ごめんね?でも、よく頑張りました。偉いですよ。すみません、自分は検体を試験薬に通してくるんで後、お願いします。牟呂も一緒にいい?そろそろ北斗が来ているだろうからちょっと業務で相談が…」
「はい」
東間と雫は部屋から出て早歩きでステーションへと消えていった
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